又、興味の無い方には、
全く関係の無い話を書きますが、
まあ、変人の与太話ですので、
ご了承下さい。
膨大な知識を必要とする。
ウイスキーの世界、その事で、
すっかりBARが様変わりした。
昔は、同じ物を飲んで、
同じ話をして、同じ事で笑って、
平穏無事に毎日が過ぎていたが、
今は、正に戦国時代、
侍達が、目を光らせ、
熱心に、ウイスキーの勉強の為に、
現れ、道場のようになり、
故に、こちらとしても、
それに応えねばと、
日々、情報を漁り続ける。
まるで、丸腰で戦場を駆け抜けるかのように、
しかし、結論から言うと、
答えなど無い世界、
どこまで深掘りしても、
ゴールと言う物は無い、
冷静に考えると、一体何を求めているのか?
一体何が知りたいのか?と、言う事となるので、
BAR本来の楽しみ方も忘れずに、
力まず、急がず、リラックス、
BARに来て、逆にストレスに、
ならぬように、ゆっくり行きましょう、
知識の蓄積とは、曖昧な例え話だが、
城攻めのようなものかと、
戦国時代の城攻め、まずは街道を封鎖し、
外堀を埋め、内堀を埋め、本丸に入り、
天守閣へ駆け上がる。
が、決して城主を倒す事が目的では無い、
あくまで、まずは本丸に入る事、
そして、城下町から見上げていた。
当たり前だが、そこには全く違う景色が、
広がっている。視点を変えるための努力が、
知識の蓄積だと、私は思う、
理解して飲むか、何も解らず飲むかの、
違いである。知識を付けて飲む一杯は、
何も解らず飲む一杯とは、遥かに違うと言う事である。
そこで、まずは本丸に入る事、
その為には、外堀、内堀を、コツコツと埋めなければ、
理解度は乏しい、実際、シェリー樽が、
好きだと言うが、シェリー酒を、
飲んだ事が無い人も多いのでは、
そこで、まず樽の内側の話をした。
シェリー、ポート、マデイラ等、
その時に、こういう本を紹介した。
しかし、これも近年では、
一部である。ソーテルヌやマルサラ、
バローロ、アマローネ、コニャック、
ラム、IPA、そしてバーボン等々ある。
しかし、厳密な事を言うと、
シェリー酒と言っても、
色んなメーカーがあり、
当然だが、作り手によって、
味わいが違う、バーボンも、
当然、甘口もあれば、辛口も、
シャープな物も、濃厚な物もある。
と、なると、与える影響も違うだろう、
どの銘柄の樽に入れたのか、
公開されていない以上、
そこは、想像と言う曖昧な事になる。
しかし、それよりも大事な事は、
内側の話では無く、
樽本来の話、材質は何か、
形状は何か、大きな樽になれば、
木にウイスキーが触れる面積が少ない、
小さな樽なら、面積は大きくなり、
樽の及ぼす影響が大きくなる。
例えば、10年程前、スプリングバンクから、
リリースされた。
ランドレッツ&キルダキッズ、
と言う、二つの小さな樽で、
熟成させた物があったが、
驚くほど、木香が強く、
まるで、森の中を彷徨っているようだった。
記憶に残るウイスキーの一つだ。
樽の内側、そして、外側の樽、
外堀を埋める為にはこの本、
加藤定彦氏の「樽とオークに魅せられて」
まあ、木や樽の事を、ここまで詳しく書かれた本を、
後にも先にも、私はこの本しか知らない、
と、まずは知識と蘊蓄は、
私は、違うと思っている。
学術的な事や、研究の結果は知識であり、
蘊蓄とは、その知識から、派生した物事だと、
認識し、区別して整理している。
例えば、現在の研究では、
アメリカ産のホワイトオークが、
熟成に適していると、又、研究が進めば、
変わるかも知れないが、
これは、知識の範疇だろう、
使われていた。現在は多様化していると思うが、
スペインなのに、何故アメリカの木が?
これは、以前も書いたが、かなりの時間を掛け、
恐ろしいぐらい調べた。するとお酒とは、
全く関係ない所から、
思い当たる答えが出てきた。
西部開拓時代、スペインから船で物資を、
アメリカに送るが、まだ、スペインに、
持ち帰る物資が、当時のアメリカには無く、
空荷となる。そうなれば船の喫水線が上がり、
横転しやすくなる。そこで、その辺にあった。
木を伐採し、バラスト、重りとして、
船のバランスを取ったと言う、
故に、アメリカ産のオークが、
大量に、スペインに届く事となる。
それをシェリー酒の作り手が、
使ったかどうかまでは、流石に解らなかったが、
明らかにこれだと思う、
と、言うのが、蘊蓄の範疇だと、
私は思っている。
そういう事を踏まえながら、
後編へつづく・・・