当店では、ウイスキーの初心者の方が、
圧倒的に多いので、
まだまだ専門的な話にはならない、
が、詳しい方もネットの中では増えて来て、
研究も、ドンドン先に進んでいる。
色んな資料も、容易く手に入るようになったのも、
このネットの普及だろうが、
何事も、リアルの経験が伴ってこそである。
そういう資料の中に、
長期熟成品の樽は、ファーストフィルより、
セカンドフィルの方が適していると、
言う事を読んだのだが、
その時は、そうなのかと、
記憶しただけだったが。
その事を見事に物語っている。
ボトルと、出会った。
ファーストフィルとは、一度も、
ウイスキーを入れていない樽、
シェリー樽や、バーボンバレル等だが、
セカンドフィルとは、一度ウイスキーを、
入れた樽で、次がサードフィルとなるが、
樽の影響が、どんどん薄れて行く、
ファーストフィルが勿論、
樽の影響が強いのだが、
これが、そのファーストフィルと、
セカンドフィルのシェリー樽で構成された。
長期熟成品のアランの21年なのだが、
開封直後は、バニラ、いやレーズンバターのような、
ほのかに、柑橘のような酸味の香りだったが、
2週間程経った。初めの経年変化で、
恐ろしいぐらいの酸味を放った。
まるで、回転すしの米酢のような、
いや、冷静に考えれば、
単純にワインが酸化した香り、
故に、シェリーが酸化した香り、
一瞬、自分の手にビネガーが付いているのか、
と、思うほどで、これをお出しして、
良い物か?と、考えるほどだった。
これが、ファーストフィルの悪影響だろう、
その後は、その酸味の香りは、
落ち着いて、ほっとしたが、
初めの経年変化の状態では、
流石に、出すのは戸惑う。
これが経験である。
そして、かなり前に入荷していたが、
やっと、開封する事にした。
リーズナブルな、お値段の、
アランバレルリーザーブ、
かなり出回っているが、バーボンバレルのみの、
7~8年のやや短期熟成だが、
何故、リーズナブルか、何故出回っているか、
多分、セカンドフィルの樽の確保だろう、
これを、熟成させた樽が、セカンドフィルとなり、
次に、長期熟成品が詰められると思うが、
ならば、20年後、2042年辺りか、
いや、既に生きているか、どうかなのだが、
これから、10年後、20年後、50年後に、
ウイスキーを飲む人達の為にも、
今あるウイスキーを飲まないと、
それが、今を生きる私達の役目のように思う、
ウイスキーは、心の余裕があって味わう物、
「蜘蛛の糸」の犍陀多ではいけないだろう、
衣食足りてウイスキーを知る。まだ生まれてもいない、
遠い未来の誰かの為に、今夜も乾杯!
ハーヴェストムーン再入荷しています!