黄昏ウイスキー  TWILIGHT WHISKY

大阪は京セラドーム前の小さな本格的BAR「BARin」の日記 

酒通信 偏見と先入観と固定観念 1 

かなり前に、本で読んだが、

海外のBARでは、一杯のカクテルを、

出してもらって、それを如何に楽しむか、

なのだが、日本の場合は、

 

そのカクテルが如何に作られるか、

と、言うプロセスを重視する。

確かに、そうだが、

その辺りが、日本の良いところでも、

 

悪い点でもある。海外は良い物には、

惜しみなく賞賛を送るが、

日本人は、歴史や伝統、家柄的なものを重視し、

そこに判断基準の重きを置く傾向にあると、

 

私は思う、CMがあるか無いかも又、

日本人の価値判断を大きく左右している。

そのいい例を、今日は紹介したい、

ここに、一本のウイスキーがある。

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名をアムルット、インドのシングルモルト

なのだが、インドと聞いただけで、

やはり、ゴミゴミした人の多い、

汚れたガンジス川等と、脳裏に浮かぶのか、

 

難色を示す人が大半である。

が、これを使って少々、

悪戯をしたのだが、飲まれた方、

殆どが、う~ん・・・と言う反応に、

 

そこで、こう言う、世界的なウイスキーの、

愛好家で、評論家である。

ウイスキー業界の重鎮、ジム・マレー氏が、

ウイスキーバイブル誌の中で、

 

4000種のウイスキーから、世界第三位に、

選んだのが、このインドの、

アムルット フュージョンなんですけど、

あれ?おかしいですね???

 

と、言うと、必ず慌ててこうなる。

そう言われれば、この香りが、コクが・・・

究極の奥義、手のひら返しであるが、

それは、あくまでジム・マレー氏の、

 

基準での判断で、同じように、

ティスティング出来れば、貴方も今日から、

世界的ウイスキー評論家になれる。

これが、偏見と先入観と固定観念

 

これがあると、新しい扉は開かない、

いつまでもウイスキーは全て、

水で割るものと言う、昭和のおじさんと、

何ら変わらないのだが、

 

それは否定しながら、自分も、

固定観念を持つと言う、

複雑な精神状態の愛好家の方も多い、

う~んと思えば、う~んで良いと思うが、

 

賞を取ったとなると、急に人は変わる。

資格もそうだが、ウイスキーの資格を取ったから、

合格したからと、言って、一般の方が、

数十年のキャリアがあるバーテンダーと、

 

同じように、知識、経験が身につくと、

言う事でも無いだろう、

それは、単なる免許である。ソムリエさんも、

同じで、ソムリエ1年生と30年生では、

 

当然だが、知識、経験、違って当たり前である。

しかし、日本人は、この資格の弱い、

CMにも弱い、人と違って当たり前なのだから、

自分を信じ、自分の言葉で表現すれば良いだけ、

 

間違っていても、そう思えば、

それで良いのだ。それと、海外の評論家の意見は、

あくまで、海外の方の意見である。

日本には、古くから茶道があり、和食があり、

 

詫びさびの精神がある。

それが、海外の方には無い、

繊細さは、日本人としての美徳、

薄味の物でも良く解る舌を持っている。

 

そう考えると、実に勿体ない、

安全を求め、冒険をしなければ、

人生が平坦で、つまらない物になる。

その原因が、偏見と先入観と固定観念である。

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ウリボウさんのブログ「袖とウイスキー」↓

uribouwataru.com