何気ない日常だ・・・
だが不景気で気は重たい
少し、車で出掛けた。
店の近くに「二両編成」の列車が走る駅がある。
そこに小さな踏み切りが、
通り過ぎ、
車を止めた。
恐る恐る近づいた。
だ、大丈夫なのか、
気が焦った・・・
踏み切りの線路に、車椅子のおばさんが、
動けなくなっている。
慌てた。
しかし、以前、車椅子の方を助けようとしたら、
「ほっといてくれ！」と激しく怒られた事がある。
それが、トラウマになっている。
が、しかしここは踏み切りだ。
少し、近づき、声を掛けた。
「いけますか？」
すると、おばさんは渾身の力で、
大きく体を前後に揺らし、
レールを乗り越えた。
そして、予想以上の大きな声で、
「大丈夫ですよ〜！！」
と、言った。
何故か、感動する映画のワンシーンを、
観たような気になった。
胸が熱くなり、
涙が出そうになった。
そのおばさんは、両足が無かった・・・・
私は不景気ぐらいで、
何をへこんでいるのだ。
自力でレールを越えて行った。
車椅子のおばさんの後姿を見ながら、
そう思った。
お金では無く、美味しい物でも無く、
美しい音楽でも、綺麗な景色でも無い、
何かもっと大事な物を戴いたように思う、
「大丈夫ですよ〜！！」と・・・
おあばさん、ありがとう・・・・
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