相変わらず、言われる。
「お勧めは?」
いやいや、毎日、ウイスキーを飲む人、
焼酎しか飲まない人、
人それぞれ、
初めて来た人の好みと、生活と、育った環境は、
解らなくて当然、色んな方が居るので、
故に、酒の種類は豊富になる。
一人、一人にお勧めは違う、
「お任せで!」
いやいや、甘いのが嫌いな人に、
甘い物を出せば怒るだろう、
当店でも、数百円から、
数千円、一万円、
勿論、一杯なのだが、
お任せと言うなら、何を出しても問題無いはずだが、
一杯数千円なら、怒るだろう、
一番強敵が「美味しいの下さい!」
基本、美味しくない物は並べない、
が、何を美味しいと思うのか、
人それぞれ、
その人、その人のレベルに合わせ、
その人が美味しいと思うのを選ぶのが、
私の仕事なのだが、
これは、多分「ラーメン屋」さん等と、
間違えているのだろう、
その店の店主が研究し、
この味だ!と、自信を持ち出して来るが。
が、BARでは色々と研究し、
試行錯誤し、完成した例えば「ジントニック」
で、あろうとも、使用するジンに好みがあり、
私がビーフィーターで作るとしても、
「タンカレーでお願いします!」
と、言われれば、
「かしこまりました!」となる。
それは、どこのBARでも同じだろう、
BARでは、お客様のレシピが最優先なのだ。
それは、個人、個人を大事にしている。
それが、どうも伝わらない、
大阪人のセッカチな所、
と、「お任せ」や「お勧め」と言うのが、
どうも「通」のように、
勘違いしている。
その言葉が出た時点で、
BARでは「通」では無いのは、
明らかである。
初めての人に好みをズバリ当てるのは無理だろう、
が、これが常連氏になると、
ほぼ、長年のお付き合いで傾向を把握している。
酒量も予算も解っている。
そういう方が「何かありますか?」
と、言われれば、
「こちらが入っていますよ!」
「では、それをお願いします!」
と、なる。あくまでスマートだ。
まずは、カクテルなのか?
ウイスキーなのか?
甘いのか?
辛いのか?
この辛いが又、厄介で、
まあ、下町でBARもカクテルも初めての人も多い、
よく「辛くない!」と、言われ、
目が点になった。
この「辛い」なのだが、
唐辛子のような辛さと勘違いしている。
お酒の「辛い」はドライと言う事なのだが、
初心者に伝えるのは難しい、
何を言ってもポカンとなっている。
又、最近は「ハイボール」と言う、
一つの飲み物だと思っている方も多い、
これは水割りと同じで、
「~の水割り」と同じくスタイルの事なので、
基本、その店にあるウイスキーは全て、
「ハイボール」に出来る。
正確には「~のハイボール」と言う事だが、
これも説明しても伝わらない、
仕方が無いので、
最近は何も言わず「角ハイボール」を出している。
この「ハイボール」も、
ウイスキーを良く飲まれる方なら、濃い目、
居酒屋の「ハイボール」しか飲んで無い方には、
薄目が美味しいと思うだろう、
何故なら「飲み易い=美味しい」と思う人も多い、
しかし、沢山のウイスキーを飲まれる方は、
当然、癖の強い物を好む方が多い、
これが逆転すれば大変な事になる。
しかし、これを説明して解らないのが、
不思議だが、BARの常連氏のように、
強烈にお酒に強い人を、
知らないのだろう、
恐ろしいほど、強い人は、
この世には沢山、居るのだが、
いつも同じ人達と飲んでいたら、
確かにそれも解らないだろう、
さあBARの扉を開けて、
広い世界を体験してみては?
あくまでお酒は嗜好品、
タバコと同じ、
タバコ屋さんで、「お勧め!」「お任せ!」
「美味しいの下さい!」と言う人を聞いた事が無い・・・
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