ジョニーウォーカーの供給用、
キーモルトとして有名な、
カーデュなのだが、
本来、密造酒である。
ムーンシャイン、月に因んで、
そう呼ばれるのだが、
勿論、このカーデュも密造酒だった。
その歴史は古く、
1811年、日本では、
活躍し、緒方洪庵が生まれたばかり、
創業者は、ジョン・カミングと、
その妻、ヘレン・カミング、
そして、1824年に政府公認の、
蒸留所となるが、
夫のジョンに1846年、
先立たれ、ヘレンは息子のルイスと、
エリザベスに、農場と、
蒸留所を引き継がせるが、
息子夫婦と協力し、
事業に尽力し、98歳で亡くなる。
が、エリザベスも又、
夫、ルイスに先立たれるが、
4人の子供を育てながら、
新しく蒸留所を設立、
品質を向上させ、
生産量を増加させた。
ヘレンからのバトンを、
しっかりと掴んだ事となる。
そのヘレンだが、
密造酒時代、当局の捜査に、
パンを焼いて、酒の匂いを誤魔化し、
紅茶を入れ、それを飲ませている間に、
納屋の屋根に赤い旗を立て、
近くの密造酒仲間や、
お客に知らせたと言う、
故に肝っ玉母さんと、
呼ばれている。
そのヘレンがジャンヌダルクように、
勇ましく旗を振っているのが、
このウイスキーの象徴で、
箱にも、大きく描かれている。
今宵は、そのヘレンを偲んで、
どのウイスキーにも、
歴史があり、物語がある。
それを、知るか知らないかで、
味わいは大きく変わる。