当店の移転、開業を、
心待ちにされていた。
東京在住のT氏、
オープン時からの常連氏で、
もう18年のお付き合いになる。
先日も来店され、
ルーマニアの方を相手に、
英語で話されて、
大活躍、
そんなT氏から、
ある依頼が、
「マスター、この場所解りますか?」
と、一枚の絵画が、
画像で送られて来た。
大阪港の辺りだと、
それなら解るかもと、
が、全く解らん・・・
ここはどこだ・・・
しかし、この絵、
実はT氏は、少し前に、
お母様を亡くされて、
その遺品の中の一枚なのだ。
奇妙な縁で、たまたまお母様が入院されたのが、
私の店のすぐ近くの病院、
その時、たびたび訪れていた。
何かあったとは思ったが、
あえて聞かなかった。そんなお母様の絵か・・・
ならば、地獄の検索を掛けるしかあるまい、
と、思いつくキーワードを、
次々と入力、
大阪港、昔、昭和・・・
解っているのは、
T.M これは、書かれた方だと思う、
と、1935年、
が、T.Mという方は、
画家を目指していた学生さんだと、
なので、検索にはヒットしない、
居ても年代が合わない、
それと、1935年に、
愕然とした。
この絵はあり得ないのだ・・・
つづく・・・