雨が振りそうだ。
金曜日なのに・・・
と、言っても、
毎晩、暇なのだが、
常連さんが一人、
カウンターに、
まあ、いつもの如く、
酒の与太話を、
まあ、お酒の話なら、
大歓迎なのだが、
と、そこに、
スーツ姿の男性と、
パステルの華やかな、
服装の女性が、
あれ、この男性の方、
覚えている、が、前は・・・
いや、止めておこう、
いや、もう言っている・・・
「探しましたよ」
確かに駅からは近いが、
町外れの辺鄙な場所にある。
等と話して、
「実は、アブサンが飲みたくて」
ア、アブサン・・・
「アブサンバーに色々と、行ってます」
ア、アブサンバー・・・
む、無理だ。
流石に、アブサンバーには、
敵わない・・・
アブサンは世界各国に分布し、
その種類も多種多様、
故に、アブサンを豊富に揃えた。
アブサンバーも、
多い、ウイスキーでこれだけ、
難航している。
わが町で、アブサンを揃える等、
狂気の沙汰である。
「アブサンはありますが」
フランスで発売中止となった。
疑惑と魅惑の酒、
「アブサン」
80年ほどの時を越え、
復活したのだが、
まあ、書き出したらキリが無いが、
当時の芸術家の愛飲酒で、
ゴッホが最も有名、
このお酒に入っている。
「ニガヨモギ」の、
「ツヨン」と言う毒性があった。
なので「アブサン中毒」と、
呼ばれるが、最近の研究では、
「ツヨン」の毒性が影響するには、
かなりの量が必要となる。
故に、純粋にアルコール中毒だったと、
所謂、ゴッホの耳削ぎ事件や、
他にも、アブサンの影響では?
と、思われていた数々の事件なのだが、
が、私は、アブサンだと、
今でも、思っている。
あの短期間の間に、
絵画だけでは無く、
文学や音楽で、
多くの天才が生まれているが、
そんな時代は、後にも先にも、
無い・・・
と、共に、
以前も書いたが、
エミール・ガレも・・・
怪しい・・・
ガレのランプ、
完全に別次元に飛んでいるように思う、
等と話して、夜は・・・
「アブサンの珍しいのはありますか?」
来た・・・
雨・・・
凄い・・・
「あるには、ありますが・・・」
「これは、初めて見ました」
う~ん、確かに、置いている店は少ないだろう、
何故なら、これは世界最強のアブサン、
アルコール度数、
89,9%の、
緑の妖精ならぬ、緑の悪魔だ。
が、飲まれた・・・
女性の方も、
アブサンを水割りで、
「美味しいと」
何万回も言うが、
そう、お酒は嗜好品、
BARで美味しい物は、
あなたに合った物、
それを探すのが、私達の役目、
美味しい物は、人それぞれ、
が、男性の方、
ストレートで・・・
凄い・・・
売っていて悪いが、
私は無理だ・・・
等と話して、夜は深みに、
「又、必ず来ます」
「では、珍しいアブサンを探しておきます」
あ、言ってしまった。
ので、バーテンダーは嘘を付いてはいけない、
アブサンを探そう・・・
3日連続、
ジャストミート!
ENDかな?
そして、又大正区の名誉は、
守られた。
どうせ大正区と言われるのが、
嫌で私は頑張っている。