私があの人に出会ったのは、
確か小学校二年、
それも、後で思えばなのだが、
私はそれほど本を読むような、
少年では無く、
いつも、何故かそこら中を、
走り回っていた。
そんな私があの人にのめり込んで行ったのが、
十八歳頃だった。
まあ、読んだ、
あまりに読みすぎて、二十代前半には、
暗記してしまう程だった。
今思えば、かなり気味の悪い青年だったように、
思う・・・
それからは、関連する書籍が出るたびに購入、
独特の世界観、
現実的な理論派の方には、
些か苦痛を与えるかも知れないが、
私は妙にその不思議な世界が、
手に取るようにリアルに感じた。
しかし、早すぎた。
評価は死後に高まる。
私が心惹かれたのは、
文学としては勿論だが、
その影響力の凄まじさだ。
小説家や物書きの類に留まらず、
音楽家、映像関係、
いや、書き出したらなのだが、
あらゆる人に影響を与えている。
この文学と言う枠を大きくはみ出し、
多くの者に光を与えるのも、
その独特の世界観が、
人それぞれの中で、形を変え、
膨大に膨れたのだろう、
正に宇宙・・・
まあ、書き出したらなのだが、
今朝、嬉しいニュースが飛び込んで来た。
驚いた・・・
どちらも「宮沢賢治」
まずは「直木賞」は「若竹千佐子」さん、
「おらおらでひとりえぐも」
これは「宮沢賢治」の「永訣の朝」の一節、
「私は 私で 一人で行きます(逝きます)」
と、言う意味の方言なのだが、
内容は、宮沢とはあまり関係が無いようだ。
そして、もう一人、これは宮沢ファンには面白そうだ。
こちらは「芥川賞」
賢治の父、「政次郎」の物語のようだ。
確かに「宮沢賢治」の父には興味がある。
父も父なりに必死だったと思う、
故に賢治を連れ、
関西方面にも現れるのだが、
それは、それでこの本でどう捉えられているか、
それが楽しみなので、
この辺で・・・
しかし、今も生きている
「宮沢賢治」
実に嬉しい・・・