黄昏ウイスキー  TWILIGHT WHISKY

大阪は京セラドーム前の小さな本格的BAR「BARin」の日記 

酒通信 私の師匠

実は何年か前から、ウィスキーの勉強に加え
コーヒーとワインの知識を付けている。
直線的にウィスキーだけだと、やはり道が狭くなる
焙煎工場に通い、コーヒー職人の「扇田」氏に
色々と教わった。


それだけでは無く苦手分野というか
専門外のワインも最近はネットで
研究し、購入しかなり飲んでいる。
何十冊も本は持っているが
新しく何冊も購入している。
これだ!


バーボンなどももう一度
調べ直している。
そして原点に戻るかのように
「ソムリエ、バーテンダーになるには」
という本も買ったが、色々と確認作業も出来て良かった。


やはり毛嫌いと言う物は人間を
ペラッペラの「いったんもんめ」という妖怪に
してしまう、人間の厚みを無くし頭でっかちになる。


肝心なのは色々な知識と様々な経験だ。
そしてすこし解かりにくいが
左端の方に「松尾芭蕉」の本がある。
松尾芭蕉」に関しては何冊も持っているが
改めて読んだ。


何故ならここ数年思う事がある。
BARというものと俳句は非常に
相通ずるものがある。
それは簡素化なのだ。
松尾芭蕉」長い長い旅の中から
一瞬のスパークにより句を作る
そこだ、私達も日々こういう本を
読み返し、長い長い勉強の結果から
一瞬のスパークでカクテルを作る。


そしてカクテルの簡素化これが難しい
あれも入れてこれも入れて
混ぜ合わせれば、それはそれでカクテルなのだが
そうでは無く簡単な物こそ難しいのだ。
マティーニ」や「ジントニック
簡単な物こそ真価が問われる。


正に5、7、5集約が産む出す。宇宙と同じなのだ。
松尾芭蕉」の2次元を持って、3次元空間を表現する技術
それをここ何年か私は「食感」と言う物で
表現してきた。口当たりがそれだ
ホイップなども丁寧に撹拌し厚みを付け
ハードシェークによる細氷のファーストアタック
なども食感として演出した。


しかし中々解かって貰えないのも哀しい事実だが、
そうだからと言って勉強は怠ってはいけない
だから「BAR in」のカクテルは美味いのだ。


何故なら師匠は「松尾芭蕉」なのだ。