自分が行かないで、
画像だけで判断する事が、
いかに難しいかが、解った。
このスコットランドだより、
知らないウイスキーは勿論、
飲んでも無いし、手元にも無い、
が、蒸留所の設備の違いにも、
困惑する。同じ装置、機械でも、
蒸留所によって、形状が違う物もある。
まあ、今回もそういう物が、
出てくるのだが、
それでは、スコットランドから送られて来た。
当店常連氏のケイスケ君の画像を、
見ながら、解る範疇で、
解説して行きますが、
間違ってたら、すいません・・・
グレンフィディック蒸留所なのだが、
今回は、その蒸留所に隣接する蒸留所、
と、言えば、もうお分かりだろうが、
そう、今回はバルヴェニー蒸留所である。
屋根に、うっすらとバルヴェニーの、
文字が見えている。
蒸留所の工程は、大きく分けて、
精麦、麦芽を作る。
それを、マッシュタンで、
粉砕麦芽にした物を、
お湯で混ぜ麦汁(ウォート)を作り、
それにイースト菌を加え、
発酵槽で、発酵させ、
蒸留器で蒸留し、樽に入れ、
熟成させ、瓶詰めし、私らの元へ、
これが細かい事を、省いた一連の工程だが、
中でも、大変なのが、
フロアーモルティングと言う、
麦芽を作る段階だが、
これは、今では外部発注、
モルトスターと言う、
大きな機械で麦芽を作る工場に、
発注するのだが、自社でこの工程を、
行う蒸留所は、既に絶滅危惧種の、
ような物である。それは、
大変な重労働と、かなり大きな、
スペースが必要となる。
それが、このバルヴェニーにはある。
最後の画像は、スティープ(浸麦槽)と言い、
これで、水を与え、床に麦を捲くようだが、
この体育館のように広い所は、
二階建てになっていて、
上の階に、大麦が集められ、
スティープ(浸麦槽)で数時間、
水に浸し、今度は乾燥させ、
大麦から、発芽させ、この状態を、
グリーンモルトと呼び、
敷き詰められ、7日~10日間、
数時間おきに、木製のシャベルで、
何度も撹拌させると言う、
重労働が、黙々と続けられる。
そして麦芽になった物が。
床の溝の中を通り、
キルンの床で乾燥させるのだが、
そのキルンの床らしき、
物の画像が無いのだが、
簡単に言えば、こういう事になる。
↓二階
↓スティープ
右の溝の中に、回転するローラーがあり、
それで麦芽が運ばれるようだ。
しかし、これだけ広大な面積を必要とし、
しかも重労働となれば、機械化社会では、
消えて行く工程だろうが、
頑なに、伝統的な工法を維持し、行っている事が
商品価値、ブランドイメージである事を、
良く理解してあげて欲しい、
産業の発達で、今では無駄と思われる事に、
汗と情熱を注ぐ、これが本来の、
ウイスキースピリッツ、
魂注入であると、私は思う、
こう言う事を理解し飲む一杯は、
味わいが変わり、
この工程を担当する。
モルトマン、すき返し職人さん達の、
苦労も報われると思う、
あまりの重労働に、
肩に痛みや、重み、
四十肩、五十肩ならぬ、
モンキーショルダーと言う、
職業病に悩まされる。
その事に、敬意を込めて、
グレンフィデックの、
ウィリアム・グラント&サンズ社から、
モンキーショルダーと言う名の、
ウイスキーが発売されている。
ボトルの肩に、お猿が三匹乗っている。
三匹の意味は、グレンフィデック、
ある事からの由来である。
昨今、何もかもが、便利な時代になり、
昔は、当たり前だった手紙が、メールに変わり、
遠く離れていても、オンラインで、
会話が出来るようになったが、
では、手書きの手紙は無用なのだろうか?
と、言う問いのようなものだろう、
広大な敷地に麦を広げ、
昼夜問わず、何日も掛け、何度もすき返す、
それは無意味な事なのだろうか?
つづく・・・
※蔓延防止の時短要請により、
3月7日~3月21日まで、
臨時休業とさせて頂きます。
ご了承の程よろしくお願いします。