黄昏ウイスキー  TWILIGHT WHISKY

大阪は京セラドーム前の小さな本格的BAR「BARin」の日記 

酒通信 あぶさんでアブサンを思い出す。3

アブサンと言う名のお酒は、世界中に分布し、

多くの銘柄がある。が、100年以上前に、

ニガヨモギの成分、ツジョンの毒性により、

製造禁止となったが、それは、国ごとに違い、

 

禁止となっていない国もあった。

一説には、画家のゴーギャンが、

タヒチに行ったのも、このアブサンを、

求めてとも言われている。

 

色々と、アブサンの事を、書いて来たが、

まあ、謎めいたお酒であり、情報量が兎に角多く、

又、その大量の情報が、絡み合い交差している。

私もそうなのだが、アブサンを深掘りしたのは、

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私の店に、数々あるランプ、

エミール・ガレだが、いやガレと言っても、

リプロダクトやガレ風で、本物では無い、

ドラマ「BARレモンハート」のお店のセットの中にも、

 

チラチラと出てくる。画面の手前の方に、

ガレだと思う、黄色い花瓶がいつも見えるが、

同じような物を持っていたが、

数年前、欠けらせてしまい、廃棄したが、

 

今も、同じような物を探し続けているが、

中々出会えない、おかげでかなり目利きが、

出来るようになった。まあ、これを話すと、

途轍もなく長い話になるので、

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そのエミール・ガレの作品が、

妙にドラッグ的な物に見えた。

で、深掘りを始めるとすぐに、ある物を見つけた。

ガレ作の、アブサンのリキュールグラスセット、

 

エミール・ガレは、天才ガラス工芸作家、

が、作品は、多岐に渡るのだが、

いや、実は、アブサンが関係あるのではと、

思って深掘りした。アブサンの時代の作家なので、

 

アブサン愛好家は、モネ、ロートレック

ゴーギャンピカソ、そしてゴッホ等、

いや、文学界や、音楽界にもいる。

その中でも、詩人のヴェルレーヌ

 

画家のロートレックゴッホは、このお酒で、

身を亡ぼす事に、ゴッホの耳切事件や、自殺、

ヴェルレーヌの、詩人ランボーへの発砲事件等、

有名であるが、しかしあの時期に天才が、

 

何故か、次々と誕生している。ニガヨモギの、

ツジョンによる。幻覚や、妄想等の作用では無いかと、

言う方も居たが、それも研究では、

かなりの量が体に入らないと、

 

そういう作用は無いと、言う事なので、

近年では、単なるアルコール中毒とされているが、

私は、密かに、一時的に飲む量では無く、

長年の摂取のよる。体内での蓄積量では?と、

 

何故、そう思うのかと言うのは、

実体験がある。ある病院で、とある薬を、

処方された事があるのだが、

飲んでいると、何か違うと思うようになり、

 

いきなり、服用を止めた途端、

恐ろしい離脱症状襲われた事がある。

それが、一年以上続いた。こういう事では無いのか?

と、単に創造しているのだが、

 

まあ、今となったは、調べようも無いが、

あの時代、天才が多過ぎる。日本でも、

太宰治の「人間失格」にも登場し、

芥川龍之介の「河童」にも書かれている。

 

と、大昔のアブサンは、

ツジョンの含有量が、かなり多かったのでは、

とも思い、あれこれと調べた事があった。

その時に、見つけたのだが、

 

養命酒さんの研究員の方が、面白い事を、

書かれている。ドイツでの研究の論文だが、

昔の処方で、アブサンを作れば、

やはり、ツジョンの含有量はかなり多くなると、

 

そして、その時、かなり昔のアブサンを分析すると、

3,842㎍/g(マイクログラム)  

ppmに換算すると、ツジョンの

含有量が、3,842ppm?

 

間違ってたら訂正して下さい、

いや、驚いた。これが正しい資料なら、

凄い量が含まれていた事になるが、

グラム換算すると、これでも微々たる物となる。

 

で、エミール・ガレと、アブサンの、

接点を探して、二つの点を見つけたのだが、

まず彼は、一時期、フランスの義勇軍に参加している。

次が、その当時のフランス軍は、

 

アブサンを、胃薬代わりに支給していた。

又、面白い事に、年代に沿って調べたら、

義勇軍に入るまでは、ガレは、頭角を現してはいない、

あくまで、帰って来てからとなる。

 

完全に怪しい・・・まあ、偶然の一致だろうが、

そのアブサンだが、禁止された後に、

パスティス系と言う、リキュール酒の中の、

分類があるが、これは「何々のような物」と言う意味、

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ペルノや、今、店には無いが、リカール等であるが、

これは、原料にスターアニス等を使用する。

禁止された。アブサンの代用品として造られた物、

なので「何々のような物」その後、長い時の流れの中、

 

WHOが基準を定め、80年ほどの、

眠りから目覚め、アブサンは次々と、

復活する事になり、現在に至るのだが、

以前、若い女性が、カクテルのオーダーの時に、

 

嫌いな物は?と尋ねると、八角が嫌いでーすと、

言われたが、あながち間違いでも無い、

まあ、それは良いのだが、

これも、知らなかったが、

 

ペルノは、EUの現在の基準では、

パスティス系では無く、アニス酒系に分類されるようだ。

まあ、今回だけでも色々と解った。

1,日本最古のアブサンは、ヘルメスアブサンでは無く、

 

「トミーアブサン」で、1937年~1955年、

サントリー ヘルメスアブサンは、その後の60年代、

2,国産ウイスキーの第2号は、ニッカさんでは無く、

東京醸造さんの「トミーモルトウイスキー

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3,ハプスブルグ アブサン 

エキストラストロングが世界最強ではない、

4,そして、最も驚いた。サントリー ヘルメスアブサンに、

ツジョンが含まれていた事、

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既に都市伝説では無くなった事、

5,エクストリーム アブサンが35ppmから、

10ppmに変わっている事、

6,ペルノが分類上、アニス酒系になった事、

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アブサンだけでも、これだけ変わっている。

当然、時代の変化と共に、色んなお酒の解釈や、

見解も、次々変わっている。

今覚えた事は、10年後、いや5年後には

 

変わるかも、10年前、20年前に覚えた事は、

今は、すっかり変わっていると言う事に、

気付かなければ、と、言うお話でした。

立ち止まらず、調べ続ける事が肝要では?

             完

 

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