いつも、声を掛けてくれて、
たまに、缶コーヒーを買ってくれる。
元気な近所のお婆さん、
少し前に、家の何かが壊れていると、
で、大工さんに頼んでいたが、
コロナになって来れないと、
なので、私に見てくれないかと、
まあ、私で出来る事なら、
が、大工さんが工事が必要だと、
言ったのだから、
私には無理かと、
まあ、一応見てみる事に、
鍵が掛からず、用心が悪いと、
良く解らないが、
お年寄りが困っているのだから、
と、家に伺うと、
小さなサッシの窓を、
プラスチックのような板で塞ぎ、
テープで頑丈に止めてある。
知り合いの女性の方がしてくれたと、
で、テープを剥がし、
板をめくると、
サッシ窓が出て来た。
そのカギが閉まらないから、
工事が必要だと、
ん?えっ・・・
これ、ただ単にサッシが、
手前の溝にズレているだけ、
で、少し持ち上げ、
はめたら、鍵が掛かり、
サッシも開閉する。
確かに、少し窓枠はズレているが、
問題は無い、後は潤滑油を塗って、
スムーズに動くようになった。
お婆さんが驚いて、
どうやったん?と、聞くが、
驚いたのは、私で、
サッシが溝を一つズレていただけで、
2秒で直る。これを、どう工事するのか?
それを知りたい、
少し恐くなって来た。
が、窓が開くようになり、
爽やかな、川風が入って来て、
部屋がいきなり爽快になった。
暑かっただろう、可哀そうに、
で、店に戻り、暫くすると、
下から、お婆さんが呼んでいる。
で、降りて行くと、
今の工事はなんぼや?
はあ?サッシをはめなおしただけ、
お金なんていらないと、
言ったが、お婆さんが一万円を出してきた。
いや、もう頼むから、閉まってくれと、
これで、お金貰ったら、
オレオレ詐欺に近い、
いや、それよりも近所のCIAかKGBのような、
情報屋おばさんの餌食になる。
老人を騙してお金を取っていると、
瞬く間に噂が広がる。
ネットの5Gより、遥かに速い下町G、
くわばら、くわばらである。
それでも、お婆さんが帰らないので、
缶コーヒーを二本買って貰った。
大丈夫だろうか、
老人を騙して、缶コーヒーを、
買って貰っていると噂にならないかと、
心配になるが、本当に騙しているのは、
一体、誰かと言う事だ・・・