黄昏ウイスキー  TWILIGHT WHISKY

大阪は京セラドーム前の小さな本格的BAR「BARin」の日記 

鍵の夜・・・

その日、店に行くと、

外のゴミ箱の上に、

小銭入れのような物が、

置いてある。

 

何だろうと、中を見ると、

社員証と鍵が、

多分、家のだろう、

しかし、この鍵、作ると高い奴だ。

 

う~ん、仕方が無い、

社員証に書いてる電話番号に、

かなり大きなデパートなので、

受付から、売り場、担当部署、

 

暫くお持ち下さいの嵐・・・

面倒くさいが、仕方なく待っていると、

やはり、そこの社員の方、

店をオープンさせないといけないので、

 

警察に行く暇が無いので、

店の電話を伝えた。

暫くすると掛かって来て、

暫くすると、社員証の写真と、

 

同じ顔の青年が、

受け取りに来た。

何度かお礼を言っていたが、

お客さんも居たので、

 

そのまま帰って貰った。

で、その日の深夜、

かなり若い子が、いきなり来て、

工具ありませんか?

 

はあ~・・・

聞くと、近くに止めてた自転車の鍵が、

壊れたと、えっ、又鍵か・・・

見に行くと、かなり太い、

 

ワイヤーの鍵、

これは、手強い奴だ。

早い時間に、この子たちが、

そこに自転車を止めるのを、

 

見ていたので、盗難では無い、

と、確かにワイヤーに鍵が刺さって、

中で折れていた。

クリッパーがあれば、一撃だが、

 

さあ、どうしたものか・・・

原始的だが、あれしかないか、

小型の斧と、

大きめのハンマーを持って行き、

 

ワイヤーの部分を何度か叩き、

切断を試みたが、

やはり、手強い・・・

しかも、外が蒸し暑い、

 

なんか、イラっとして、

思いっきり叩いたら、

パーン!と大きな音がして、

見事、切断、何度か礼を言ってたが、

 

まあ、気を付けて帰りなさいと、

店は暇なのに、

私は、何かと忙しい鍵の夜だった。

まあ、良いか・・・