わが町から、自転車で数分、
湊町OCATの隣にある。
「ホテルモントレ グラスミア大阪」
その22階にある。
「山王美術館」
こんな近くに、
名画と触れ合う場所がある。
吉本、お笑いの話も良いが、
たまには、いや、一度ぐらいは、
こういう所もどうですか?
そこで、現在開催中の
「藤田嗣治」没後50年、
やはり、実物を見ないと、
作者の吐息は聞こえない、
絵は見ないと、
酒は飲まないと、
何とも言えない、
年代別に、作品が並べてある。
そこに、一点、まるで分岐点になったような作品が、
何だこれは・・・何だ・・・何だ・・・
すると係りの女性が、
「お客様、すいませんがこちらで、
ご鑑賞くださいませ」
ホテルのスタッフなので、
言葉遣いも丁寧だ。
私の右側に立たれて、
右手が右側に向いたような、
その下の床に、白線が・・・
ん?う~ん・・・
白線・・・
が、右手が右側に、
入れ?入れなのか?
白線の内側に?
珍しい所もあるものだ。
と、白線の中に、
ち、近い!近すぎて見えん!
と、「お客様、すいません、
私の言葉足らずで、白線の外へ」
「・・・・」
「ですよね、そりゃ、そうですよね」
は、恥ずかしい・・・
白線の外に出てくれを、
白線の中に入ってくれと、
間違えた・・・
「す、すいません・・・」
まあ、素直に謝った。
私の町のオッサンなら、
「なんやと!わしは客やぞ!」
と、怒鳴るだろう、
いや、こう言う所ではやらない、
いや、まず、行かない・・・
しかし、凄い、
その中の一点「二羽の雉」と、言う作品があるのだが、
これを見たら、目の焦点がみるみる合った。
浮いている。赤い雉が浮いている。3Dか・・・
他の作品も浮いているように見える。
思わず、もう一周回った。
絵と絵が重なり、
立体的に見えるのだが、
そこには、過去、現在、未来のような、
時間の経過も感じられる。
な、なんじゃこりゃ・・・
後ろ、真ん中、手前と、
絵が重なって、一枚の絵に、
まるで、カクテルのような、
う~ん、いつも思うのだが、
こういう作品を見て、
これで、ここまで行って、
プロだと言うなら、
私は一体何なのだ。
完全なる「モドキ」
「人間モドキ」
メッキは剥がれるを、
又、痛感し、
店へと帰る。
帰り道、
道頓堀川の賑わいも、
虚構に思えた・・・