「お勧め下さい!」
「おまかせで!」
が、BARでは通用しないと書いたが、
一番恐ろしいのが、
「美味しいウイスキー」を下さい、
何をもって美味しいのか?
解りやすく例えるなら、
タバコ屋さんに行って、
「美味しいタバコ」下さい、
八百屋さんに行って、
「美味しい野菜下さい」のようなものだ。
車屋さんに行って、
もういいか・・・
一番肝心なのが、
ウイスキーと言うのは経験値、
初めての山登りがエベレストと言う方を、
聞いた事が無い、
私は常にその人のレベルに合ったものをお出しする為に、
毎日、勉強と試飲を繰り返している。
それを何度言っても解らない人は多い、
私が美味しいウイスキーを隠していると、
それを出せと、
今、それを出した所で多分美味しいとは思わないだろう、
まずは「初級」「中級」「上級」と、
お客さんを分けている。
別にそれが差別では無く、
愛情であり、何よりものサービスである。
ウイスキーは何度も言うが、
アルコールに強い方、
弱い方が居る。
美味しい味噌汁は殆どの方が飲めるが、
ウイスキーはアルコール飲料、
飲める方と飲めない方が居る。
ここまでは理解出来ましたか?
そしてその「初級」にも1~10程のランクを、
「中級」の方も「上級」の方も同じだ。
その人がどれぐらい飲めるかは、
一杯を飲み終わる速度を見れば、
すぐに解る。
私達はウイスキーのプロと言うより、
ウイスキーを提供するプロなのだ。
飲み手のドリンカーと大きく違うのは、
そこなのだが、カウンターに立たない限りそれは解らない、
が、果敢にも戦いを挑む方は後を絶たない、
又、こういうケースが多い、
二人、三人で来られる。
その中の一人がこのウイスキーが美味しいので、
これを、この方にもと、
自分が美味しいから、
この人も美味しいだろうと、
別に悪くは無いのだが、
目の前にウイスキーを提供するプロが居るのだ。
一言、相談してくれれば、
何故なら、その方は今日初めてウイスキーを飲む方だったら、
そのチョイスは間違えている。
又、少し前にあったのだが、
これには、お手上げだった。
接待で連れて来られた方が、
席に座るなり、
「このウイスキーの値段は、
全て評論家の評価で決まっている」と、
馬鹿馬鹿しいと言わんばかりに、
大きな声で、
すると連れて来た方が、
「では、マスターこの方に美味しいウイスキーを」
「無理です」と、言ってしまった・・・
この日本人の固定観念、
私は長らくそれと闘って来たのだと、
最近、解ってきた。
ウイスキーは水割りで飲む物、
美味しいウイスキーは誰でも美味しい、
CMしているのは良い品物、
してないのは粗悪品、
ウイスキーの値段は評論家の評価、
最強の強敵は、
俺はウイスキーの全てを知っていると言う方、
なら、もう飲まなくて良いんじゃ無いですか・・・
私にお金は入りませんが、
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