黄昏ウイスキー  TWILIGHT WHISKY

大阪は京セラドーム前の小さな本格的BAR「BARin」の日記 

北極星

先日、外の気温は38度を越えていた。
何かを食べようと、自転車でウロウロ、
ふと「半沢直樹」のドラマが頭に浮かんだ。


そうだ。バブル・・・
と、言えばあの頃、よく行った店が、
そして、よく行く事になる出来事が、


確か20歳前半、
地元の悪友達と、あまりお金も無く、
昼ごはんを食べに、
時は夏真っ盛り、


ふと見ると、50円で、
ご飯お代わり自由と書いた看板、
食堂のようだ。
皆、おかずを一品だけ取り、
次々とご飯をお代わり、


もう無理と言うまで食べた。
その中の一人に、
不動産屋の息子が、
その友人の父は大物政治家と交流もある。


大阪では有名な方だった。
そして食べ過ぎで、歩くのもやっと、
その時、大柄の紳士に呼び止められた。
見るからにバブルな人、


どうも、その不動産屋の息子の父の知り合いで、
その近くで、その方も不動産屋を営んでいる社長さん、
秘書のような方を連れていた。


「よし、お前らついて来い」と、言われ、
着いた所が「北極星
大阪では有名なオムライスのお店、
皆、青ざめた・・・


「君らは若いから、いくらでも食べれるやろ」
無理だ・・・


しばらくして大きなオムライスが、
次々と・・・
無理だ・・・


しかし、不動産屋さんと言うよりは、
マフィア・・・
ファラオの秘宝のような金色に光る腕時計をしている。
幾ら入っているのだと、
言うようなワニのポーチ、


「君のお父さんにはいつもお世話になっているからな」
「ほら、遠慮するな」


だから無理だ・・・


社長は腕のファラオの秘宝をガチャガチャ鳴らし、
ガブガブとビールを飲んでいたが、
私達は王にひれ伏す奴隷のようだった。


その時のオムライスの味に全く記憶が無く、
数日後、改めて行く事にした。
時はバブル、店内はいつも満席だった。


懐かしくなり、行ってみた。
なかなかの盛況ぶりに、
少し、嬉しくなった。


あの時の席も、そのままだった。
遠い夏の記憶・・・

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