ごそごそと何かしている。
何やってんだよ〜、
暇な店で、二人、
名古屋人の従業員、
あれ、これと試している。
ウロウロと動き回る。
イライラして来た。
ここ数日、どうもカクテルコンテストに出品する作品を、
考えているようだが、
私は、一切、口を出していないし、
どういう大会かも知らない、
しかし、見ていると、
何をしているのだ??
どうも、飾りに迷っているようなのだが、
これは、いけない、いくら美味しそうに見えても、
不味ければ、どうしょうも無い、
何か、作った。
首を傾げている。
あーーーーー!!!
いらつく!!
貸してみろ、一口飲んだ。
「なんじゃこり〜」
松田優作さんのようになった。
何やってんだよ〜、何だこの苦味は・・・
苦味が走っている。
悪い苦味だ。これは、駄目だ・・・
お酒が酸化した時のような苦味、
ビターでは無い、
では、これは?
次のを作った。
嫌な予感・・・
的中!馬鹿か!お前は!
水っぽい、薄い、気味が悪い・・
どこまで味音痴なのだ。
コンビニ弁当、インスタント食品で育った子は、
味覚障害を起しやすいのだが、
そんな、レベルでは無い、
もう貸せ!ついにキレた・・・
締め切りも近い、ついに口を出した。
この、コンテストはキリンさんがスポンサーなので、
キリンさんの関連商品しか、使えない、
そうなると、厳しい、
初めて資料を見た。
なるほど、これはどうも「温故知新」
昔のレシピを改良して、そのカクテルの変形として、
新しい物を作る。
お題のカクテルが何個かある。
そこで「バラライカ」を選んだようだ。
ウオッカベースの有名なカクテルだ。
そうなると、キリンさんの販売している。
フランスのウオッカ「シロッコ」が対象商品になる。
しかし、このフレンチウオッカ、なんと原料がブドウ、
これは、手強い・・・
何故なら、ウオッカは基本、無味無臭、副材料の良さを活かす。
しかし、これは香りも、味もある。
コンテストでは、名前、コンセプト等、全て採点になる。
そのレポートの提出がある。
「お前、このカクテルのコンセプトは?」
「・・・・・」
私「名前は?」
「・・・・・」
馬鹿か!、何も考えず作っていたようだ。
あ〜あ、こりゃ大変だ。
これでは作業としては、10段階の2程しか進んでいない、
「バラライカ」「バラライカ」ん〜、これはロシアの楽器の名前、
ん〜、ん〜、ん?そうか、これがある「リュート」
これは、ヨーロッパの古代弦楽器の総称「リュート属」
多分、「バラライカ」もその流れからだ。
そして、ブドウ、ブドウジュース、干しブドウ、
「原点回帰」私はそう考えた。
これなら、「温故知新」とも意味合いが近い、
大会の意図を理解しなければ、場違いな物を出してしまう、
そして、楽器、ん〜、仕方ない、これは私がある方の為に、
使おうとしていたアイディアなのだが、
「ロイヤル・カルア・ミルク」別名、アリス・スペシャル・・・
あ〜あ、まあ、仕方ない・・・
それを少し改良した。
これだ!
これは、数種類の色の異なった砂糖を潰し、
シロップで、グラスのふちに、
宝石のように見える。
コーラルスタイルと言う、
これで、立体感と、砂糖の粒で、
楽譜の音符をイメージした。
そして最終の味の調整、何故、私が・・・
出来た!枝つきレーズンを飾って、
レシピはまだ、公開出来ないが、
創作カクテル「リュート」
ロングカクテル部門へのエントリーだ。
次の日、私は少しやる事があり、早く店に、
すると、「ミスター逆ベクトルの男」名古屋人の従業員が現れた。
いきなり「レポートの文章考えてくれました?」
「わしかい!」
それでは、私のカクテルだ・・・・・
これ、一応、世界大会何ですけど・・・
最後に「僕のアピールポイントってなんでしょう?」
と、聞いてきたので、こう言ってやった。
人任せ・・・・