黄昏ウイスキー  TWILIGHT WHISKY

大阪は京セラドーム前の小さな本格的BAR「BARin」の日記 

大阪ウイスキー物語 6

「電報」

ニューヨークに着いて、
イギリスに渡る船の予約と,
ビザの申請をする竹鶴青年、

今度は、戦争中の大西洋の事ゆえ、
軍事物資と兵士の輸送が最優先、
ニューヨーク近郊には、
酒造工場も無かったので、
仕方なく都会見学や、
語学の勉強をして過ごすが、


一ヶ月経っても、ビザの申請が下りない、
その姿を見た下宿先の親父さんが、
「大統領に電報で文句を言え!」と、

まさか・・・?

半信半疑の竹鶴青年、
第28代アメリカ合衆国大統領 
「トーマス・ウッドロウ・ウィルソン」に電報を、
すると、翌日移民局から呼び出しがあり、

その日に全ての手続きが終わった。

本当なのか、俄に信じがたいが、
真実のようだ。正に奇跡・・・

もう奇跡は無いだろう、
いやまだある。

この時イギリスに渡る。
竹鶴青年を乗せた客船、
「オルドナ号」が
貨物船「コクリナ号」の横腹に衝突し、

「コクリナ号」が沈没・・・

しかしオルドナ号は無事、
本当なのか?いや真実のようだ。
1日遅れでリヴァプールに、
1918年12月、


どこまでも奇跡が見放さない男、
竹鶴青年がついにイギリスの地に立った瞬間であった。
国産ウイスキーを誕生させると言う大いなる夢を抱き!

          つづく・・・