黄昏ウイスキー  TWILIGHT WHISKY

大阪は京セラドーム前の小さな本格的BAR「BARin」の日記 

大阪ウイスキー物語 4

「徴兵検査」

幸運を自分で切り開いてきた竹鶴青年、
それを応援するかのように、
奇跡の連鎖は続く、

酒造職人としての評判が広がる中、
同年12月に、第一次世界大戦の、
徴兵検査に挑む竹鶴青年、


幼い頃から柔道で鍛えていた身体、
本人も、いや誰もが
甲種合格そう信じていた。
甲種とは、入隊を意味する。


そして望んだ徴兵検査、
判子を持つ検査官、
その検査官がある一行に目を光らせた。
履歴書に書かれていた。
「アルコール製造」


これなら、今後も製造に従事させたほうが、
軍需産業を活性させるのではと判断する。
燃料の生産と考えたのだ。
検査官は判子を持ち替える。


「乙種合格」



奇跡の乙種合格、
乙種とは、予備兵、入隊せずに済んだのである。
しかし、これも自分で「摂津酒造」に、
足を運んだ事から始まっている。

「摂津酒造」に居たからこそ、
履歴書に「アルコール製造」と書けたのだ。


もし、ここで竹鶴青年が入隊していたら、
どうなっていたか、
結果だが大阪の地が日本のウイスキーを救っている・・・
これは、大阪人として嬉しい出来事だ。
この事が国産ウイスキーの道を切り開く事になる。


さあ!疾風怒濤の如く、
奇跡の連鎖が始まって行く、
遥か北海道は余市を目指して、

         つづく・・・