黄昏ウイスキー 

大阪は京セラドーム前の大人の小さなBAR「BARin」の日記 

酒通信 ドラマ「バーテンダー 」 ん?

2月4日、財布を無くした。
自転車のかごに入れたまま忘れていた。
店の終わりに気付いた。
無くなっていた。


支払い用の16万という、現金が入っていた。
カードを止めるのに、梃子摺った。
もう何日か過ぎたので、忘れる事にした。


プロのバーテンダーかも知れないが、
人間が出来ていない証拠だ。
そして、相葉君演じる「バーテンダー」のドラマを観た。
そんなに観たくも無いが、
観てなければ必ずそのドラマに出て来る
カクテルを頼む人が出て来る。
そんなカクテルはまず通らない、
といったものでも、平気でオーダーされる。


どれだけTVと言うものは神格化されているのか、
と、恐ろしさを感じる。一番怖いのは、そのドラマで使われる
オリジナルカクテル、これが怖い、やりたい放題とも取れる。
オリジナルカクテルが出て来る。
と、言うか、オリジナルとは見方と、キャリアが違えば、
そういうものになるのだが、
そりゃ〜私の作る。黒酢入りのカクテル等もその一つなのだ。
基本、考え、作るのはバーテンダーだが、喜んでも貰うのは、お客さんだ。
決して、自分の自己満足では無い、


又、ドラマや漫画で良くBARの事が描かれるが、
恐いのは、値段だ。ドラマや、漫画では値段を言わない、
中には恐ろしく高い、ウィスキーやブランデー等が登場するが、
値段が解らない、それを平気で若い人が注文する。
今では、カラオケBOXや居酒屋のカクテルとBARの値段が
同じだと思っている人は五萬といる。
そういう時の対処には本当に困る。


してドラマの方だが、
相葉君が、キレは悪いが、かなり練習をしている事は伺える。
ミキシングも、あれでスピードが増せばたいしたものだ。
シェーカーも後は、スピードだろう、確かに基本的な振り方で、
私達のようなハードシェークの変則的な振り方では無いのだが、
基本となれば、あれで充分だろう、、、
個人的には「向井理」君がすれば良かったのにと、思っている。
彼は変則的(三段打ち?)な振り方だが、かなり、スピードの乗った
シェーカーを振っているのを、TVで観た。


BARで勤めていた経験があるらしい、
やはり、ボトル等を持つ所作は綺麗だ。
これだけは、何年かやらないと出来ない事だろし、
素人さんが見ても、解らないだろう、
まあバーテンダーが注目されるのは、それはそれでいい事なのだが、


気になったのは、「ロイヤル・ロッホナガー」の水割り、

何故、こんなに完成された。シングルモルトを、
あえて水割りするのだ。しかもシャブシャブに水を入れていたが、
価値観の差だが、旨い訳が無い、水割りなら水割りで、
それ相応のブレンディドウィスキーがあるでは無いか、
シングルモルトの命とも言える。「香り」(アロマ)が台無しになる。


10数年以上掛かり、シングルモルトを是非、ストレートでと、
提唱してきた。その苦労を何だと思っているのだ。
まずはストレートからだろう、それからは好みでも構わない、
と、私は思う、日本人の悪い癖、水割り、ソーダ割り、
ブランデーまで、水で割っていた狂った時代もあった。
全て、サントリーさんが広めた悪行だ。
水割りは日本、固有の文化だ。
だから、海外の映画では水割りは出て来ない、
今、シングルモルトに関しては、これまでの飲み方を一切、
断ち切らないと、美味しく味わえない、それに、


スコットランド人が聞いたら、怒って来るだろう、
シングルモルトを広めたいなら、逆にストレートを
薦めるべきだ。他の個性の強い、
シングルモルトを同じように水割りと言われたら、
どうするのだ。飲めるか!馬鹿か!


売るという、商売根性丸出しの為に、本当に美味しいものを
駄目にしていまっている。金儲けで、シングルモルトは断じて、
普及しないだろう、そう思いませんか?
キリンの広報さん、、、


次に「オールド・パル」のレシピなのだが、
「セブンス・クラウン」と「ノイリー」を使っていた。
後、私は長年、「チンザノ」のスィートベルモットを使用しているが、
こんな事は、当店の常連氏でも、一人知っているか、いや、いないだろう、
それだけカクテルとは光に当たる主人公であり、名の知らぬエキストラでもある。
そういう不思議な存在なのだ。


当店でも、男がどうした。女がどうしたという話題だけで、
カクテルは、名の知れぬエキストラでしかない、
そんな下らん話を聞くだけなら、酒の技術も知識もいらない、
ベロベロに酔ってても充分だ。
が、それは嫌らしい、真面目に聞けと言う、逆に真面目に飲めと言いたい、
結局言いたい事は、ち○ぽとお○こ、そんな話、素面で聞けるかぼけ!
大体、そんなものは人に聞かず、自分で見つけるものだ。


このドラマ、カクテルの監修に、それ相応の人物が付いているのだが、
ん〜どうだろう、「オールド・パル」、私好みではなかったと言うまでで、
こちらは否定的なものでは無い、これもスポンサーの関係で、仕方ないのだ。
「セブンス・クラウン」ん〜、、、
私なら「オールド・オーバー・フォルト」が良かったと言うまでなのだが、
「マンハッタン」のプラスアルファが、「オールド・パル」で、
「マンハッタン」のマイナスにして、
プラスアルファが「マンマッタン」と言うのが、
私の考え方なのだが、それは私流であり、一概にも言えないだろう、
今の形の「マンハッタン」を作るに対して、数年掛かった。
色んなBARに通い、「マンハッタン」を飲み続け事がある。
人知れず、努力をした。それでなければ良い物は作れない、


一度も無いが「オールド・パル」から、「マンハッタン」に繋げて
飲まれたら、ん〜と言わざる得ない、まあ何年も、ん〜とは唸ってないが、、、
あ、モルトマニアの小学生には唸った。それはあくまで、小学生だからだ。
ここが問題なのだが、皆、私をん〜と唸らせたいのは解るが、
私はバーテンダーなのだ。酒や、カクテル以外の話を持って来られても、
へえ〜としか言えない、何が言いたいか解るだろうか、
解らなければ、考えて欲しい、、、


もっと恐ろしいのは、
バーテンダーが知らないカクテルを注文したら、
カッコいいと思っている。ど田舎者もいるが、
無様な姿を何故自分で曝け出すのか、一向に解らない、
そんな事は今や、パソコンがある限り、小学生でも出来る。
この前の小学校2年生の女の子は、
私達の知らないノンアルコールカクテルを注文した事を、酷く後悔していた。
申し訳ないと思ったらしい、
何とも健気な態度だ。少し調べれば解ったのだが、
オーダーを通したのが、金髪だった為、悲劇を招いた。


金髪は小動物と子供が苦手なのだ。
私なら少々時間が掛かろうが、調べただろう、
子供に対しては早く安易に答えを出す事より、
全て受け止める事の方が大事だ。
何故なら、彼女にとって私達は何でも出きる。
手品師なのだから、夢を壊してはいけない、
が、基本BARだから、子供は入れないのだが、、、


私も娘の質問にはどんなに時間が掛かっても、
完璧に答えた。調べに、調べて、
父は絶対的存在でいなければならない、それが持論だ。
そして、多くの事を教えると、その中に何か一つでも何かを見つけ出し、
少しでも可能性が開けると思ったからだ。


しかし、長女の天文学の質問には、いささか閉口した。
宇宙は膨大だという事を改めて知った。
星、星座、流星群、彗星、覚えきれない、、、
そういう時は、自分で経験させる。
その年、長女は天文所を連れ回された。
「星はもういい」と、言うまで、、、


今は携帯で、カクテルレシピは16,000種は調べられる。
しかし、それを全て頭に入れているバーテンダーが、
居る訳は無い、必要ないからだ。
奇天烈なカクテルを知っているのがカッコいいのでは無い、
スタンダードのカクテルを、どう飲むのかが問題なのだ。
カクテルもウィスキーも、注文の順番が命だ。
こんな事すらも浸透していない事に嘆くのだが、


好きなものを自由に頼むのも決して悪くないし、
全く持って何の制約も無いが、
順番に、しかもその人の個性を反映させた飲み方、
そこにはその人の、その日の物語を感じる。
粋で且つ、素敵な事だ。
これをされると、年下であろうが、学生であろうが、
より丁寧な敬語を使ってしまうのは、
私も人間だからだ。
難しいようで、簡単な事なのだ。
少しの知能と時間さえあれば大丈夫で、
ほんの少し、仕事の愚痴、ち○こ、お○この
事を忘れれば、誰にでも出来る事だ。
たった一冊の本を買えば、何千通りと楽しめる。
元来、BARは酒が主役で、酒を楽しむ場所なのだ。


ただ一つのカクテルだけでも、偽者は別にして、それなりのキャリアを持ち、
自分の店を持っている。
バーテンダーが数人集まれば、長い討論が始まるだろう、
何故なら、皆きちんとした自分の理論を持っているからだ。
適当にでは話にもならない、
面白い事を教えよう、
スタンダードなカクテルをどこかのBARで注文し、
メインのお酒を、何故これを使うのかと質問する。


自分が好きだから、教えて貰ったから、本に書いてるからと言う返事が返ってきたら、
私は残念な結果だと思う、教えてもらう事に関しては、
長い伝統を継承している。老舗なら仕方ない事なのだが、
やはり個人の店なら、それを使用する明確な答え、意図が無ければ、
私はそれまでだと思う、、、


ウィスキーと言えども何を使うか、
ブランデーと言えども何を使うか、ジンは何がいいか、それが大事だ。
どれだけその一つのカクテルに、心血を注いでいるかと言う事だが、
作り手がそこまで考えていても、飲み手がそれなりなら、どうにもならない、
高い金を払って、質問もしない、何時までも水割りを飲み続ける。


ここはしっかりと読んで頂きたい、そして間違った解釈をしない事を
神に祈るしか無いのだが、理解する力も人それぞれだけに
厄介な話だ。自分のブログにさえ気を使う、、、


それぞれが一つのカクテルを、自分の理論の元に作り上げて行く、
長い年月を掛け、今、私も、今まで作り上げて来たカクテルを見直す
時期に来ている。
だから、カクテルは面白い、全てに於いて、
「これだ!」が無い、一生涯、勉強と言う事を、
重々このドラマで伝えて頂ければ、幸いです、、、


が、ドラマはあくまでドラマだ、、、
私もそうだが、お間違えなきように、、、