黄昏ウイスキー  TWILIGHT WHISKY

大阪は京セラドーム前の小さな本格的BAR「BARin」の日記 

BARの扉

私のブログをよく読んで頂いている方が、
先日、ウィスキーの本を買われたと、
それだけでも嬉しかったのだが、
ついに、BARの扉を開かれたようだ。
いや、ブログを書いてて本当に良かった。


遠方の方は、当店には来れない、
いや、別にどこでもいい、BARに行ってくれるのは、
嬉しい事だ。
そのBARの事は、以前から尋ねられいたので、
何度か調べていた。かなり広く、品揃えもいい、
しかも有名なホテルにある。
有名なBARなので、お勧めしていたのだが、


これは、何度も書こうか、どうしょうかと、
悩んだ。当店の常連達や、BAR通の方、
他の店のバーテンダーとも話した。
かなりデリケートな問題で、
私がここで話すのは、
確かに問題があるのだが、


私は他店のやり方をどうこうと言える人間では無い、
まあ、そういう事も言いたくはない、
私は、ただの3流バーテンダーなのだが、
これは、如何なものかと、



その方に若いバーテンダーの方がお相手したようだ。
そして、正直にBARは初めてだと告げ、
個性的なウィスキーをお願いしますと、
出てきたウィスキーがこれだ!

ラフロイグ」ここには無いが、
その18年・・・・
ん?「・・・・・」
と、なった。


多分、BARに行かれ、シングルモルトウィスキーを、
少し、知っている方なら、
皆、そうなるだろう、
何故「ラフロイグ」なのか、
アイラモルトラフロイグ
チャールズ皇太子の愛飲酒として有名なのだが、
アイラモルトは一種独特なウィスキー、
正露丸イソジンの香り、ヨード臭なるものが強烈なお酒だ。
しかも、水割り、しかも1:1の・・・


はっきり言って私は、どうかと思う、
初めてと言っている方に、
上級者向きのウィスキー、しかも上級者向きの飲み方、
しかも18年、多分一杯、2000円近くしただろう、
なら、テーブルチャージやサービス料があれば・・・なのだ。
もっと、廉価で、良いものも沢山ある。
そして、やはり、シングルモルトはまず、ストレートだと、
私は思う、不思議に思われるかも知れないが、
世界中で水割りにするのは、日本人ぐらいなのだ。
水で割ると、逆に飲み辛くなる。
しかも、氷を入れれば、香りを閉じ込めてしまう、
氷を入れず、水とウィスキーを1:1で割る。
「トワイスアップ」という飲み方がある。


これが、一番ウィスキーの味が解ると言うが、
それも上級者の飲み方だ。
何故、そんな事をするのだろう、
個性的なウィスキーなら、これもある。

初めての方になら、
左のモルトロールスロイスマッカラン」でも、
右のハードボイルドが一番似合う酒「タリスカー」でも、
個性的と感じるだろう、
いや、初心者向きのアイテムでも、
初めてなら個性的と思うだろう、


まあ、これは、初めての人にはお出ししないが、
番外的にはこういうモルトもある。
「ク・デュー」

よく見て頂こう、
世界的にも珍しい「ブラックウィスキー」真っ黒なのだ。


そして、シングルモルトには、
飲む順番がある。
繊細な物から、中間的な物、そして最終がアイラモルトだ。
香りが強いものから、繊細な物に行くと、
香りがよく解らなくなる。


シングルモルトで、上から2番目に強烈なブランド
ラフロイグ」その上には、
これしかない、

「アードベック」
2〜3杯飲むのなら、次が無い・・・・



この話を聞いて欲しい、
数年前、一人の青年が来た。


その青年が、
「私はシングルモルトが苦手なんです」
と、初めてシングルモルトを飲みに行った時、
同じく「ラフロイグ」を出されたらしい、
飲めなかったそうだ。
それから、トラウマになり・・・
確かに「ラフロイグ」で、
モルトにハマったと言う方もおられるが、
苦手な方も多い、



私とて、アイラモルトに慣れるまでは、
数年掛かった。
当店の酒豪、あ嬢もアイラモルトだけは、
と、言う、
私は、どうしても納得がいかない、



重いBARの扉を勇気を出して開けられたのだ。
あれだけの品揃えがある店、
他に選択肢は無かったのか、
それが悔やまれる・・・
まあ、私もそういう事が解るのに
何年も掛かったのだが、




しかし、よく飲まれた。
大したものだ。
感心しました。


もしかしたら、かなりのBAR通と見られたのかも、
そのバーテンダーの方が、
自分は試されていると思ったのか・・・・・
個性的なウィスキーと言われたので、
符号は一致する。
決して間違いとは言えないのだが、



が、やはり初めて山に登る方に
あまり高い山は・・・


しかし、これからも、2回、3回と
BARの扉を開けられる事を、
期待しております。


ありがとうございました。
そして、勇気に敬意を!