恐ろしい酒が、今当店に君臨している。
その名も「ラフロイグ・ムーン」
これは以前も書いたが、「ラフロイグ・サン」
を第一弾とする。第二弾なのだが、
59,9度という、豪快な度数、
しかも、ラフロイグ、ん〜、と唸りたくなる。
以前、アードベックの60度超えの「スーパーノヴァ」
こちらはすぐに、1本目が空き、2本目なのだが、
「ラフロイグ・ムーン」は一向に減らない、、、
果敢に挑んだのは、K大君、飲み終わると、
同じ事を、何度も呟いていた。
やられている、、、
「ラフロイグ・ムーン」のせせら笑う声が聞こえた。
そして当店、最強のセイントにして、女子、
肝臓を四つ持つ女、あ嬢が挑んだ。
(プロジェクト・Xのナレーションで)
それはかなり飲んでからの挑戦だった、、、
彼女の手が止まった。初めて見る光景に、
一同、たたずを飲んだ。
何度も見た、やはり半分の所で、止まったままだ。
かなり飲みづらいのか、苦労が計り知れない、
しかし、彼女は諦めなかった。
多くの期待が、彼女の背中にのしかかった。
グラスを持った。皆が見守る中、
残り半分を一気に飲み干した。
そして何事もなかったように、
彼女は、グラスを置いた。
ため息とも、感嘆とも取れる声が、店内に響いた。
そして彼女はこう言った。「これは素人さんには無理やわ〜」
解るような、解らないような言葉だった。
そして夜は更けていった、、、、
(プロジェクト・X番外編「琥珀色の化け物」終わり)
そこから大変な事が起こった。
アコースティクで歌う、
我々に急にリクエストがあると言い出した。
それが何と、ク、クイーン???
フレディ?マ、マキュリー???
それはギター等をやっている人は解るが、
「さだまさし」が「Xジャパン」を歌うようなものだ。
いや、「吉田拓郎」が「マイケルジャクソン」を
歌うようなものだ。いや、、、もういいだろう、
難解なリクエストを言い残し、
あ嬢は変貌を遂げたまま、お帰りになった。
「ラフロイグ・ムーン」は高笑いをしていた。
そして今、私はクイーンのCDを聞いている。
第三の挑戦者、これも女性だった。
飲み干した後、ビール等を飲んでいたが、
同じように、変貌を遂げ、理不尽な怒りを撒き散らしていた。
もう腹がよじれるぐらい、「ラフロイグ・ムーン」は
笑っていた、、、
な、何なんだこの酒は一体、、、
当店の戦士をことごとく、跳ね返している。
これはBARに置いてもいい酒なのか?
疑問が走る。
が、しかし「ラフロイグ・ムーン」は大きく胸を張り、
燦然と立ちはだかる。こんな感じで、、、
これは近年稀に見る禁断の酒だ。
挑戦するのは勝手だが、
責任は取れない、、、
覚悟して欲しい、、、