兵庫県の衛生課のフグの毒に対する。
注意喚起のポスターだが、
「食通ぶるのもやめましょう」
いや、実にストレートで面白い、
ほんと、やめましょう!
これが、一番厄介なのだが、
勘違いが殆どで、
数本のウイスキーを飲めば、
ウイスキー通だと、
思い込んでしまうようだが、
何十年も、この仕事をしていても、
この方、良くご存じだと思ったのは、
ほんの僅かで、私自身も、
ウイスキーと言う部屋の、
扉を開いた程度だろう、
日々、膨張するウイスキー、
本職の我々でさえ、
追いかける事は不可能である。
しかし、このネット上に、
私も含めてだが、
薄っぺらい情報が溢れている。
まあ、深く掘り下げても、
多分、伝わらないので、
そうならざる得ないのだが、
それを読んで、上辺の情報だけで、
来られるのは、確かにやりにくい・・・
先日、来られた二人組だが、
ウイスキーの名前はご存じなので、
なら、少し上のクラスを飲まれては?
と、18年物を出すと、
値段に驚愕している。
えっ?いや、これが45mlで、
2000円なら、そんなに高くも無いのだが、
どうも、500円ぐらいの物を、
お探しのようだが、
いや、その値段でシングルモルトは、
難しいだろう、15mlぐらいなら、
出している店もあるだろうが、
いや、困ったのだが、
なかなか飲めない物が飲みたいと、
そう言って、出て来た名前に、
こちらが、驚愕した。
まさかのポートエレン・・・
えっ、ええええっ!
かなり前には数本あったのだが、
ご存じの方なら、解るのだが、
ポートエレンは、少し特殊な形で、
蒸留所は存在するが、
もう、ウイスキーは造ってはいない、
蒸留所には、休止や停止、閉鎖、
そして、消滅等に分かれるのだが、
最後の消滅蒸留所は、火事などで、
完全に蒸留所が消滅した場合なのだが、
こうなると、希少価値が高くなる。
リトルミルやキャパドニック等が、
そうなのだが、特殊なケースは、
停止して、再開する場合が、
蒸留所ではよくある事だが、
ローズバンク等の場合は、
蒸留所はそのままだが、
蒸留器が変わったので、
元のローズバンクにはならない、
確か、金属泥棒に、ポットスチルを、
盗まれたとか、
で、ポートエレンだが、
現在は、モルトスターと言う、
麦芽を造る専門の工場として、
存在する。故にここに麦芽を発注すれば、
日本でも、アイラモルトのような、
ウイスキーが造れる。
現在の日本に於ける蒸留所ラッシュも、
このモルトスターの存在が、
大きく影響していると思う、
ウイスキーは無いが、
工場はあると言う、
特殊な形なのだが、
数年前から、残りの樽のウイスキーを、
少し販売したのだが、
なかなかのお値段だったが、
現在、ボトラーズは別として、
オークションに出ているオフィシャルは、
30万円ぐらいになる。
BARで飲めば、数千円では無く、
数万円、勿論一杯だが、
その事を伝えると、
今度は、向こうが驚愕した。
名前を憶えたら、それが今現在、
幾らするかも、調べて欲しい・・・
どうも、会話が嚙み合わない、
まさかと思うが、いつもBARで、
飲まれているのか尋ねると、
BARには行かない、いつも家で、
やっぱり・・・
BARは酒屋さんでは無い、
酒屋さんで買ったウイスキーに、
利益を上乗せして、一杯、一杯、
切り売りする店である。
どうも、ネットで売っている。
ウイスキーの価格を思っていたようだ。
それなら慈善事業になる。
いや、それよりも、
ポートエレンを置いてなくて、
良かった。ボッタくりだと思われる。
そして、気を付けないと、
ポートエレンを持っているお店は、
何軒か知っているが、
そういうお店で頼むと、
私の店のように、一本づつ、
プライスカードで値段は書いていない、
ましてや、お客さんが頼んだ物は、
断らないだろうし、高いですよと、
声を掛ける事も、本来失礼である。
あんた金あるのか?
の、ようになるので、
で、飲めばお会計は、
確実に数万円になるが、
これも、ボッタくりでは無い、
物の価値も解らず、
頼む方に問題がある。
の、ような事を教えてあげようと、
思ったが、聞く気が無いようなので、
止めた・・・
皆さんも、名前を覚えたら、
それが、現在幾らぐらいなのか、
調べてから、注文された方が、
宜しいかと、恥をかきますよ、
が、この下町では何故か、
恥をかかされたとなるのが不思議だ・・・
食通ぶるのもやめましよう!