月曜日は欠かさず、
現れるK社長、
流石に筋金入りの遊び人、
週初めから、飲みだす。
これが、粋な遊び人であると、
先輩に教わった事がある。
が、基本、BAR好きなのだろう、
まあ、色んなBARをよく御存じだ。
私らは同じ時間に働いているので、
左程、色んな店にお邪魔出来ない、
逆に色んな方から、色んなBARの情報は、
頂いている。
特に、銀座や、北新地のBARの話は、
興味津々であるが、
この町では、この町の店の話ばかり、
この町から出れない、呪縛でも掛かっているのか・・・
そして、先日、こんな話をされた。
私がカウンターに立っている時は、
全体の仕事の4割程度だと、
流石だ・・・
見透かされている。
まあ、本当に時間が無い、
一日が30時間ぐらいあればと、
常に思う、
今は、本当に大変な時代になった。
ウイスキーは、秒進日歩、
毎日、毎日、新入荷のお知らせ、
蒸留所に情報が送られて来る。
しかも、ウイスキーだけでは無い、
クラフトビール、ジン、
日本のジンも、
次々と出て来る。
その流れの尻尾を必死で、
捕まえている。
少し、目を離せば、
完売、売り切れ・・・
朝の10時頃から、
店に来る直前まで、
多々パソコンにしがみ付いている。
情報の嵐、嵐、その合間に、
オールドボトルを探し、
ブログを書き、
毎日が慌ただし過ぎる。
が、やはり他の町に負けたくない、
と、言う意識が強い、
試飲会等で、紹介され、
この町の名を出したら、
えっ!、とか、笑いながら、へえーとか、
片手でチラシのように名刺を渡された事もある。
まあ、そういうとこに出て行かず、
この町に引きこもれば、
何とも無いのだが、
私は嫌なので、何が悪いと、
ムキになってしまう、
しかし、これだけの情報を精査し、
吟味し、が、逆に瞬間的な判断も必要、
それを、やはり、普通の方は、
店に来て、開けて、閉めて、
楽な仕事だと思っているようだが、
K社長には、バレている。
それが、まだまだ三流なのだろう、
若い時から水商売をし、
ミナミの老舗のラウンジから、
独立されたママの店で勤め、
まあ、厳しく指導された。
特に掃除は、それも最近は時間が無く疎かに、
が、店の前は欠かさず、掃いている。
「店の前が汚い店に誰が来るか!」
と、怒鳴られた事が多々あるが、
この町ではあまり関係ないようだ。
それと、看板、あまり前に出すなと、
前に出すと、隣の店が、
もっと前に出す、
と、そのまた隣の店は、
もっと、もっと前に出すと、
結果、それによって、
人が流れなくなると、
なので、看板も出していない、
が、それも、この町では、あまり関係ないようだ。
と、いくら経営がしんどくなっても、
どこ吹く風と、飄々としろと、
武士は食わねど高楊枝である。
昨年、少しお会いしたが、
髪の毛がボサボサだと、
怒鳴られた。
「お前!水商売してるなら、水商売らしくしろ!」
と、豪快な一撃を喰らった。
しかし、本当の優しさはとは、
こういう事なのだ。
何でも、かんでも、
ええよ、ええよと応援しては、
ぬるま湯を作ってしまう、
それは、ただの偽善にしか過ぎない、
確かに私はダラけ過ぎていた。
女手一つで、何十年も、
ミナミで、店を切り盛りして来た。
実績を私は知っているので、
頭が上がる訳が無い、
この人に水商売は何たるかを教わった。
しかし、その時、近くの店に行き、
私が豪快に怒鳴られているのを見て、
その店の店主がオロオロしていたが、
私とて、所詮、そんな程度なのだ。
だからこそ、上を目指したい、
そして、それを、この町から発信したい、
ただただ、それだけだ。
私が生まれ、育った町なのだから、
しかし、K社長に見透かされた。
まだまだだ、確かにこれだけのお酒を集めるのには、
相当なアンテナを張り、日々、膨大な時間を費やしている。
しかし、それがプロであり、
バーテンダーとしての努力だと思う、
理解して頂いたの嬉しいが、
見透かされたと思うと、
妙に複雑な心境だが、
そんなK社長に、
敬意を込めて、
キャンベルタウンの逸品を、
数年前、ボトルを一新したのに、
又、全てを一新し、数種類のラインナップが出ているが、
当店で、キャンベルタウンモルトと、
言われるのは、K社長だけなので、
今回は、これだけ・・・
グレンスコシア・ハーバー入荷!