かなり遅くだった。
最後のお客さんのお会計をしていた。
外の電気は付いていた。
扉は開けたまま、
すると、外国の方が二名、
中を覗いて、
ニコニコしていた。
ああ、申し訳ない、
もう、閉店時間はとっくに過ぎているので、
クロージングタイムと、言ったが、
少し、キョトンとしていた。
暫くして、理解されたようで、
笑顔で手を振り、
帰られた。
何だか、申し訳ない、
ので、外国の方の差し上げるのに、
用意している。
コースターを、持ち走って追いかけた。
ソーリー、ソーリー、と、
差し上げた。大した物では無い、
ただの紙のコースター、
当店のと、百均で買った。
日本風のコースター二枚、
まあ、気は心だ・・・
折角、遠路はるばる海外から来られ、
BARに入ろうとして断られたのでは、
当店、いや日本のイメージが悪くなるような、
まあ、そうでも無いだろうが・・・
次の日だった。
オープンの準備をしていたら、
入り口に、昨夜のカップルが、
ニコニコしながら立っていた。
ええっー!多分ネットで、
オープンの時間を調べて来られたのだ。
なんと律儀な、妙に嬉しく、
サンキュー、サンキューと、何度も言った。
が・・・
つづく・・・