黄昏ウイスキー  TWILIGHT WHISKY

大阪は京セラドーム前の小さな本格的BAR「BARin」の日記 

無粋・・・

アベノミクスの効果が現れて来た。
少し安く値段を付けると、
次々と売れる。
少し高くすると全くでない、
カクテルでも、手間が掛かるし原価も高い物がある。


そこで今年は100円高くしたら、
全く出なくなった・・・
絵に描いたような不景気だ。
しかし、安くした物ばかりが出ると、
次の物が買えない・・・


品切れのままになる。
まあ、仕方ないのだが、
それを、あれは入らないのか、
これは入らないのか、
円安、円高、酒の値段が安定しない中、
傷口に塩、
アベノミクス、正に地獄だ・・・


しかし、これは今に始った事では無く、
大阪人の気質的なものだ。

「あんた、それどこで買ったん、なんぼやった?」
なんぼ=いくら、
「これ350円やで!」

「ふ〜ん、私は300円で買ったで」
「ええっ!」

と、人とよりも安く買う、
それが大阪人の誇りなのだ。


まあ、私とてそうなので、
それは、それなのだが、
最近はスマホでウイスキーの銘柄を打ち込み、
値段を調べる。
この前も「マスターこの店なら、この値段で出てますよ」


「はあ〜」としか言いようが無い、
その一本だけがその店では安いようだが、
たった一本だけ買ったら、
その一本に手数料、送料が掛かる。
結果高くなる。


少し前も「これ、一本でこの値段で出てますよ」
と、言われ小さなスマホの窓を覗くと、
ヤフオク、それもまだ四日前の・・・
説明するのも面倒臭い、
いや、実はカップルだったので、
恥をかかせてはと、


「凄いですね!是非、買われた方がいいですよ」と、言った。
ヤフオクを知らないようだ。
たまたま検索に掛かったのだろう、
教えてあげた方がいいのだろうか、
ヤフオクは、最終日の一時間前からが本番だ。
そして10分前が勝負、
当然そのボトルが2000円で買える訳が無い、
他にもある。

「これ、大体5000円ぐらいですよね」
何の話をしているのかと思ったら、


「価格ドットコム」
ここ数年間に取引された値段が瞬時に分かる。
しかも、何年か前の値段、
数年も経てば、
シングルモルトでは高騰する物が多々ある。
今はもうそんな値段では無い、
しかし、そんな事も毎日のように、
ネットで商品を追いかけなければ、
分からない話だが、


そんなこんなで、
今BARでは値段の話題が大半を占める。
スマホの弊害・・・


昔の粋なBARのオールドファンはどこに行ったのか・・・
時は「無粋の時代」


無粋とは

遊びのわからないさま、面白味のないさまなど、

本当の意味は

男女の間の微妙な情のやりとりに通じていないこと・・・


BARで飲んでる時ぐらい止めませんか、
そんな野暮な話は・・・
BARは酒を売っているのでは無い、
時間を売っているのだ。

その酒を売っているお店が・・・
それは次回へ