静かな夜にJAZZを流し、
常連氏の若者と、話していた。
えらくお疲れの様子、
そんな時だった。
爆音が近づいて来る。
まさか・・・
き、来た・・・
知り合いの後輩が、
近所の居酒屋で出会ったと、
若い女性とおばさんを連れて来た。
いきなりの爆音、
鼓膜が破れそうな大声で叫ぶ、
まるでロック歌手のシャウトのように、
「ちょっと、もう少し静かに」
と、言うと、まあ、いつもの事だが、
怒り出す。
どうも先程の居酒屋さんでも、
何度も注意されたようだ。
「さっきの店でも、言われた、
楽しくしてるだけやのに!あの店なんやねん!」
この町でよくある。
七不思議の一つ、
物事には起承転結と言うのがあるのだが、
この町では、「起」の部分が何故か消える。
大声で騒いだ=起 がなくなり、
楽しくしていたら=怒られた
に、なる。
で、あの店なんやねん!
独特な風習である。
で、静かに飲んでるお客さんに、
「辛気臭いわ!葬式ちゃうやろ!」
と、どうも 酒を飲む=叫ぶ=歌う=踊る
と、言う公式があるようだが、
それにはTPOと言う物がある。
しかし、駅前の長年やられている。
大型の居酒屋さん、
金曜なので、満席だったと思うが、
居合わせたお客さんは地獄だっただろう、
それが当店のような小さな店に来たのだから、
より一層の地獄だ。
しかし、もうアクセル全開!
爆音は止まらない、デーモン閣下のような声に、
他のお客さんは次々帰って行く・・・
が、本人は来てやってるんだぞ!
と、強気な姿勢、
いくら来てくれても、
他のお客さんが帰れば、
逆にマイナスなのだが、
どうもそれが解らないようだ。
若い女性も、意味不明の言葉で、
隣の人に話しかけるので、
「他のお客さんはほっといて下さい」
と、言うと、
「この人、怖いから嫌い!」
はい、起承転結の起が無くなった。
見知らぬ人に意味不明な言葉で話しかけた。
の、部分は削除され、
いかにも、私が突然怒り出したようになっている。
この町、独特の慣習のようだが、
そして、おばさんの轟音は静まらず、
「次に来るか、どうかはあんたの態度次第」
の、ような事を言ったが、
いやいや、二度とお断りします!
お願いですから、二度と来ないで下さい!
なのだが、まだまだこの町では、
それが解らない人が多く、
来て欲しくないから、
そうしているのに、そこに噛み付いて来る。
完全なお手上げである・・・
まあ、そんな人でも、
お客さんとして、お金儲けとして、
許すお店もあるだろうが、
それは、私の感知する事では無いが、
この「大正区」を良くしたいと思う気持ちが、
欠片でもあれば、やはり、注意すべきだと思う、
よその町から、国から、来られる方も増えた。
そういう人が、轟音おばさんを見れば、
果たして、どう思うか、
「いい町だ!」と、なるだろうか?
この町を、良い町、良い町と言う人は、
自分にとって、都合の良い町なのでは?