鳥居・・・いや鴨居さんが、
本性を現しだした。
お金儲けのウイスキー、
逆にマッサンも本性を現した。
本格的なウイスキー、
スコットランドに負けたくない、
マッサンが言った。
「客に媚びてまでウイスキーを売りたくない」
その気持ちは痛いほど解る。
マッサンは言い過ぎたと言ったが、
それはそれで正論では無いだろうか?
人を小馬鹿にする為だけに来たり、
自分のストレスの発散に絡む為だけに来たり、
ブルーチーズが臭い!
腐ってると怒り出すおばさん、
酔えたら良いんや!
何を飲んでも同じや!
数日前はカルアミルクが少ない!
ジョキーで出せ!と怒るおばさんが居た。
民度の低さがうかがえる。
十数年、そういう人達を来なさないように、
斜に構え、露骨に嫌な態度をして来たが、
おめでたいことにそういう人達は、
全く気が付かない、
いや、逆にご指導してくれる。
「君はもっと低姿勢になりなさい」
「君は高飛車だ!」
馬鹿に付ける薬なし・・・
いまだにまだ来る、もう10年程、
毎回、毎回泥酔のご夫婦、
来るたびに嫌味をタラタラ、
が、注文は、
「おい!美味いウイスキーをくれ!」
「俺は金持ちや!」
自分でお金持ちと言う人に初めて会った。
まあ、貴重な経験なのだが、
そして同じを事を、
繰り返し、繰り返し、喋り続ける。
小一時間・・・
お金持ちならもっといいとこに行けばいいのに、
不思議な人だ。
そんな人が美味しいウイスキーに出会える事は、
一生無いだろう、
又来るかと思っただけで憂鬱な日々だ。
結論は私もマッサンと同じく、
媚びてまで、
媚びてまでは、
私が造ったウイスキーでは無い、
私はただ預かっているだけだ。
本当に文句があるなら、
サントリーさん、ニッカさん、
いやいやスコットランドに行ってクレームを言えばいいのだが、
それは恐くて言えないのだろう、
情けない・・・
商売ではあるが、私はホストでは無い、
あくまでバーテンダーで生きて生きたい、
ただただそれだけだ。
そっとしておいてくれませんか、
わざわざ捻じ込んで来なくてもいいでは無いですか、
興味が無ければわざわざ来る事は無いのです。
お解りになりましたか?
無理か・・・
まあ、お金儲けだけを考えてるBARなら、
そうなるのか・・・
プライドの切り売りか・・・
ただの金儲けか・・・
ウイスキーの美味しさを、
カクテルの美味しさをを解って戴きたい、
その一念だけで必死に今までやって来たのだが、
伝わらない、
この町では・・・
数年前、80歳を過ぎる梅田の老舗BARの、
老バーテンダーが引退された。
新聞にもそれが記事で出た。
その時のそのマスターの言葉が実に印象的だった。
「アホの相手は疲れた・・・」だった。