昨今のこの不景気、
そして、若者の洋酒離れ、
当店も、苦戦を強いられている。
数日前、若き日に行った。
あのBARはどうなっているだろう、
そんな思いが急に体を走った。
行ってみよう、
夜の町、従業員に店を任せ、
自転車で北へ、
川を越え、静かな町並み、
薄暗い、街角、
一筋の灯りが、
町の中心から外れ、
ひっそりと、一軒のBAR,
懐かしい外見、
山小屋のような、
20数年ぶりだ。
扉は開いてた。
中に、数人の客が、
少し戸惑いながら、
店に入った。
白い壁が印象的で、
シンプルだった正統派の店が、
至る所、派手な飾り付け、、、
様変わりしていた。
壁には、大きく食べ物のメニュー、
見ると、カレーライス、
ラーメン、、、
ラ、ラーメン?、、、
カウンターの上には、
フライパンが、
洋酒は少なくなり、
焼酎が、、、
残念な気持ちになり、
腹立たしくなり、
心の中で、舌打ちした。
目の前に、申し訳なさそうに、
数本だけ並ぶ、
シングルモルト、
ハイランドパークをオーダーしたが、
いつもより、苦かった。
マスターに話し掛けた。
昔の話をした。
偶然、昨日がこの店の21周年だった事、
バブルの時、店の前に高価な外車が並んだ事、
私より、年上だと思っていたマスターが、
年下だった事、
実に懐かしい、
話しているうちに、
店が様変わりした事に、
腹を立てた事を、反省した。
ああ、そうだ、店があるから、
こういう話も出来るのだ。
そして、20数年経った今、
現れる私のような、お客さんの為にも、
今日まで、頑張って来られたんだ。
と、思うと、急に目頭が熱くなった。
帰り道、橋の上、
自転車を押しながら、
空を見上げたら、
嗚咽が漏れた。
帰ったら、
飲みすぎたのか、涙が、止まらなくなった。
舌打ちした自分が無性に恥ずかしかった、、、
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