団地でダンダンダダダー!
「団地ともお」をご存知だろうか?
NHKで放送されているアニメなのだが、
何気なくや、ボーッと観ていただけなら、
気づかないが、このアニメが凄い、
私は絶賛している。
作り手の知能の高さが垣間見える。
原作は「小田 扉」(おだ とびら)氏、
私より10歳ほどお若い方なのだが、
100歳を超える高僧では無いのか、
そう思わせる時が多々ある。
団地に住む普通の小学生「ともお」を通して、
面白おかしく描かれているが、
直球や変化球、色んな球種で、
実は道徳とは何かを投げかけて来る。
しかも、決め付けや押し売りではない、
あくまで見る側の判断に委ねている。
友情、家族、仕事そして死とは何か、
私はこの作品で初めて死とは何かが解ったような気がした。
第何話だっただろうか、
ともおの担任の先生の恩師に死が訪れる。
担任の名は「本田育江」先生、
若い時代は不良で、
回想シーンでは手に鎖鉄球を持っている。
それが恩師のお陰で更生し、
教師になる。
その恩師の死なのだが、
これには前フリのような作品がある。
確か「道徳をなめるなともお」だったと思う、
本田先生は授業で行き詰ると、
この入院している恩師に会いに行き、
アドバイスを貰う、
そしてこの回もまた死とは何かを、
生徒に上手く説明出来ず、
恩師を訪ねるが、
恩師は自分の死期を悟っていた。
ある日ともお達のクラスの校外写生の公園に、
恩師が現れる。
その数日後、恩師は亡くなる。
本田先生は葬儀の日、
ともお達を連れ、
恩師と会った公園に行く、
そこで恩師が亡くなった事を告げるのだが、
ともお達は一度しか会っていないので、
あまり悲しみが伴わない、
しかし本田先生は何十年と言う、
恩師との交流から、
悲しみは強い、
この温度差、
これは関わりの深さの度合い、
人の死、その悲しみを増大させるのは、
生きているあなたの心では無いのか?
受け止め方は人それぞれだが、
そう問いかけているのだと、
私は思った。
数年前、多くの知り合いを次々と亡くした。
多くの方と多くの関わりを持ち、
多くの思い出があった事が、
私の悲しみを限りなく大きくさせた。
それから、こういう仕事でありながら、
関わりを避け出した。
私自身も気付いていたのだろう、
しかし、人との関わり合いが無ければ、
生きていけない事も確かな事である。