何年も、何年も前になる。
昔話を一つ、
その日、暇なカウンターに、
一人の青年が、腰掛けた。
学生だというその青年は、
少し痩せ気味で、顔色も冴えない、
普段通りに話しかけた。
何かの拍子に「将来の夢」の話になった。
青年が言った。
「父のように事務職になりたい」と、
それで、苦手な簿記の勉強、
ついつい、寝不足にと、
こんな所にも、殆ど来た事が無いと、
その時、私はこう思った。
もっと遊んで、楽しまないと、
と、誰しも思うだろう、
そして、夢が事務職、、、
別に悪くは無い話だ。
立派な職業なのだが、
若いのだ。なにか、もっと壮大な
夢は無いものかと、
しかし、青年が次に言った言葉に、
私は暫く、言葉を失った。
「事務職なら、重労働ではないし、
土、日の休みも、ちゃんとある
有給を取れば、計画的に休めますから」
その言葉通り、彼の父は、
彼が小さな時、土、日や、
夏休みは、きっちりと遊んでくれたそうだ。
「、、、、、」
私は、遊びたかった。
しかも昼間に、
そう思い、この仕事を選んだ。
しかし、そうだ。
子供が幼い時、日曜日は、寝ずに動物園、遊園地、
フラフラだった。
そのせいで、子供にキツく当たる事も、
しばしばあった。しかも自営業、
休めば、お金にならない、
いつも、自分が自分に引きずられている。
考え方、そう考え方一つで、
人生とは、色んな見方が出来るのだ。
この不景気な日々に、
ふと、
あの青年の言葉を思い出した。
今、どうしているだろうか、、、、
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