おばちゃんが、店の前で、
立ち話をしていた。
まあ、声が大きいので、
良く聞こえる。
「また、なんか出来てるわ!」
「なんやろう」
「前も、この裏に、こんな店があって、
行ったら、めっちゃ変な店やったわ」
それは、私の店だ・・・
確かに、この辺りで、
BARを理解してくれと、
言っても無理な話で、
理解の無い方には、
変な店になるだろう、
取りあえず、入って来られなかったので、
難を逃れた。セーフ!
しかし、ウイスキーや、
カクテルを少しでも、
知って頂こうと、
孤軍奮闘して来たが、
では無く、まずはBARだった。
BARが何か、
BARとは、何か、
まずは、そこからだったのかと、
気付くのに何年も掛かってしまった。
故に、この町では、
立ち飲み屋さんも、居酒屋さんも、
BARも、全て飲み屋さん、
そうなると、確かに、
BARは変な店になる。
そして、いつの頃からか、
商売では無く、
挑戦に変わって来た。
この町で、どこまで行けるか、
ほぼ、毎日のように、
心は折れたが、
その度何とか、持ち直した。
ビールが、百円、二百円の町で、
こんなビールを売るのだから、
狂気の沙汰かも知れない、
しかし、2ケース売れたので、
追加発注をした。
これ一本で、缶ビールが何本買えるか、
で、適正温度が、
10℃~18℃、
ほぼ常温、アルコールも9%と、高い、
まず、ビールはキンキンに冷えた物、
と、言う固定観念が強い、
で、値段が高い、
ぬるくて、値段が高い、
そんなビールを売る店は、
確かに変だが、
紛れも無く、2017年の、
世界NO1の黒ビールである。
が、やはり、ベルギービールや、
クラフトビールを飲み慣れた方なら、
必ず、美味いと言われるが、
普通のビールしか飲んだことに無い方には、
濃厚過ぎて、無理・・・
故にお薦めは出来ない、
お薦めとは、
お薦め出来る人と、
出来ない人が居る。
故にBARでいきなり、お勧めと言われても、
「・・・・」
と、なる。
なので、このビールも普段は隠している。
話を聞いて、この人なら、
大丈夫そうだ。
と、思ったら出している。
しかし、良く売れたものだ。
が、まだまだ私の挑戦は続く、
変な店の・・・
2017年 世界NO1黒ビール、
栗黒 くりくろ