黄昏ウイスキー  TWILIGHT WHISKY

大阪は京セラドーム前の小さな本格的BAR「BARin」の日記 

三流バーテンダーへの道

先日、名バーテンダー「浜田」氏の事を書いた。

自分はどうだったんだろう?

ふと、そう思った・・・・あれは・・・




30歳を前にして、

バブルが弾けた。

それまで、高級車を乗り回し、お金はいつもあった。

当時、私は、カジュアルな若い方が来る。

今から考えたら、インチキな店を任されていた。


店は良かったが、母体が建築関係、

日々悪化していった。

終いには、給料も出なくなった。

娘は幼く、仕方なくゲームソフトを売りに行き、

数枚の千円札を貰った。

「それ売るの?」と、娘が言った。

「ああ、、」としか言えなかった。


車にも乗れず、娘を自転車の前に、

外は、頬を切るような、北風、

娘が「気持ちいい」と、言った。

返事が出来なかった。

返事をすると、泣いているのがバレるからだ。

子供に気を使わせている。

しかも、こんなに小さい子供に、、、


そんな時、一本の電話が、

友人からだった。

「いや、それは無理やわ〜」

私が言った。大阪は、北新地のあるBARが、

バーテンダーを探していると、

当時の私に、そんな技術も知識も無い、

誰かの下で働くならまだしも、店を任せると、、、

丁重にお断りした。


その夜、何故か眠れなかった、

横を向くと、娘が何の心配事も無さそうに、

スヤスヤと眠っていた。

その寝顔に何の迷いも無かった。

あるのは、私だ、、、


次の日、電話を入れた。

「お願いします」と、、、


  つづく・・・のか?