黄昏ウイスキー 

大阪は京セラドーム前の大人の小さなBAR「BARin」の日記 

コメント出来ないような話

この間、このように言われた。
悪い意味では無いのだが、
私の書く記事には、時折、コメント出来ない、
重い話があると、確かにあるのはあるのだが、
先日の記事もそうだろう、しかし、
それは、それで、枯山水の宇宙観と同じで、
見えない物を見る、現にある物を、
ある物として捉えず、かといって幻としても捉えず、
その間の、空や、無として考えて貰えれば、いいのだが、
出来るわけが無い、僧侶でもなければ無理な話だ。


私も、哲学者でも宗教家でもましてや、文学者でも無い、
乱文を書く、ただの三流バーテンダーだ。
そう思い、気楽に読んで頂ければ、それだけで、
幸いな話である。
そして今回、その重い話、
「死」について、三文記事を書こう、
「死」とは?
冒頭で、禅宗の石庭の話をした。
ある物でも無い、幻でも無い、
これを「死」に当てはめるなら、


その答えを、禅宗ならぬ、浄土真宗から、日蓮宗に改宗した。
宮澤賢治」の詩の中にある。
それは、死ぬと言うやり方、
方法論として、賢治は捉えている。
消滅するのでは無く、違う世界に行く為の、
一つのやり方、汽車に乗る時に、
切符を買う、そして移動する。
その切符を買う行為、これが「死」なのだ。


そしてそれは賢治の中で、
最愛の妹を探し旅する、名作「オホーツク挽歌」に繋がって行く、
確かに賢治の言うように、やり方なら、気も楽だが、
簡単に割り切れないのが、人間だ。
「毒薬をふところにして天の川」
種田山頭火」の自由律俳句の一つだが、
死に場所を求め、彷徨い、
旅を続ける山頭火、
そして死に切れず、酒で失態を続ける。
実に人間らしい、


私もそうなのだろう、死に切れず生き続ける。
そして大事な人を無くし続け、
多くの裏切りに会い、うな垂れ歩き続けている。
これが幸せであり、生きる意味なのだろうか?
そう思いだすと、色んな考えが、
蜘蛛の巣のように、複雑に絡み合う、
しかし、これもやはり、生きる条件なのだろう、


「門松は 冥土の旅の 一里塚
めでたくもあり めでたくもなし」
お正月が来たからと、喜ぶなかれ、
寿命が一年短くなると、
「一休禅師」は嫌な事を言う、
しかしそれは現実なのだ。


以上の事を踏まえて、
紹介したい曲がある。
かりゆし58」、
「さよなら」だ。
「一休禅師」の考え方に、
否定的で、生きる意味を
「もっと生きたかった、誰かの為」
と歌う、だが、PCなら解かるのだが、


コメントの欄に
「いい作り話ですね」と、
「だよね〜」と書かれ、
多くの賛同を集めている。
いや、これは決して否定的な意見では無く、
高評価なのだが、「いい作り話ですね」
とは、どういう意味で書かれたのだろうか、


私は別に「かりゆし58」のファンでもないが、
気の毒に思える。
折角作った曲を「作り話」とは、
今の若い世代の方の意見だろう、応用が出来ない、
例えば、自分の友人の為に何かをする。
些細な事でもいい、
その行為を照らし合わすと、
走れメロス」は実話となる。


要するに本でも、曲でも、作り手が何を言いたいかであって、
時代背景、シュチュエーション等は問題では無い、
「竜馬が行く」は司馬遼太郎氏が見て来た話では
無いが、多くの実業家の方の愛読書となっている。


又、中島ラモさんが、小説は詐欺だと、
本に書かれていたが、それはそうだ。
フィクションなのだから、
それを才能や、技術で芸術に高めて行く、
楽曲も同じだ。「シューベルト」の「魔王」
「お父さん、お父さん、聞こえないの〜」
あり得ない話だが、良く似た体験をした方が
聞かれたらどうだろうか?
「作り話」であろうと、
全ては受け止める側の器が問題なのだ。


これは「さよなら」のPVで友人を無くす、
ストーリーが流れていた。
それを作り話と言っているのだろうか、
それなら映像に囚われ過ぎだと思う、


何故なら、この曲は「死」だけを歌っているのでは無い、
これは男女の別れ等も、含まれていると私は思う、
色んな事情で会えなくなった人、
当店にも来なくなった方は大勢いるが、
道ですれ違う事も無く、
そのまま私が亡くなるとしたら、どうだろうか?


「死」=「会えない」と言うように考えたら、
一度会ったきりで、二度と会っていない人等、
誰にでもいるだろう、又、蒸発した知人も沢山いる。
死んでいるのか、生きているのか、
「死」では無く、「会えない」
これが即ち、現にある物を、あるものとして捉えず、
かといって、幻とも捉えずと言う事だ。


苦しんだ結果の、拙い、
私の「死」の概念だ。
忘れ去らない限り、思い出は残る。
それには、忘れ去らない努力が必要だ。
自分の思い出と照らし合わせ、是非聞いてほしい、


「かりゆし58」「さよなら」
http://www.youtube.com/watch?v=Quv9IhgPswc

「散るさくら 残るさくらも 散るさくら」 良寛