黄昏ウイスキー 

大阪は京セラドーム前の大人の小さなBAR「BARin」の日記 

海岸通 2

文化際も無事終え、
あほな事ばかりしていた日々が続くのだが、
進学か、就職を決めなければいけない、
という、選択を突きつけられる。


これと言ってしたい事もなかった。
小さい時は、森林警備隊員になりたかったが、
ロッキー山脈まで行くのが、嫌で辞めた。
山小屋に住み、コリー犬を飼って、山火事や、
密猟者と戦うのだ、、、危険だ、、、


中学の時、「ドクトル・マンボー航海記」
のシリーズを全て読んだ。大きな船の専属の医師として働く、
ワンピースでいう、チョッパーのようなものだ。
が、医師免許、、、無理だ、、、


ん?船乗り、、、
そうだ船乗りになれば、大海原を駆け回る事が出きる。
そんな仕事無いかな〜?


シーンは進路指導室に移る。


だらけた格好で就職の資料を見ていた。
船の関係、、、、無い、、、
進学の資料にも目を通した。
つまらない、、、
ん?なんだこれは、海員学校


それは船乗りを育成する専門学校だった。
ふむふむ、なるほど、、、
全寮制の厳しそうな学校だった。
だるそ〜、と思った時、肩を叩かれた。
振り返ると、あいつだった。


どこにするねん?と聞いてきた。
今開いてるページを指差した。
あいつはじっと見ていた。
へぇ〜と言って、そのまま出て行った。


何日かが過ぎ、皆それぞれに色々と
進路が決まって来たようだったが、
私は、出席日数も足りず、
卒業出きるかどうかも解らなかった。


*シーンは教室に移る


私の前にあいつが立ってこう言った。
「願書出したか?」
何の事か解らなかった。
「ええ〜っ!まじで〜」
あいつはただ、私が指を指した学校、
海員学校に既に願書を出していた。
私が行くと思い、が、願書を出していたのだ、、、


私はそんな学校の事さえ忘れていたのに、


卒業を間近に迎えたある日、
私は案の定、出席日数が足らずに、
補修テストを受ける事になっていたが、
曜日を間違えた。
あいつとクラメート達は、必死で探してくれたらしい、


私はどこに?
ん?パチンコを打っていた。
フィーバーフィーバー!
今日は焼肉が食えると、喜んでいた、、、
今から考えれば、ガラの悪い高校生だ。
娘を叱れない、、、


卒業式、あいつと私は「仰げば尊し」を歌う約束をしていた。
我が校は新設校で、校歌が無く、松山千春さんの歌を歌う事になっていた。
それに反対したのが、あいつと私だった。
結局、あいつ一人に歌わす結果になった。


*シーンは別れの埠頭に移る


別れの時が来た。
あいつが四国の海員学校に行く日だ。
沢山の友人が見送りに来た。
私は、複雑な思い出立ちすくんでいた、
テープの雨、船の汽笛、流れる蛍の光
「待っているぞ!」と、あいつは言った。


と言われても、私は船酔いが激しい事が解り、嫌だった、、、
船は夜の闇に消えて行った。
大声で何度も叫んでいたあいつだったが、
もう聞こえない、波止場を去る時、
私の名が聞こえた。


振り返った。船は米粒程だったが、
確かに聞こえた私を呼ぶ声が、
涙が一粒流れた、悲しくは無かったのだが、
頭の中で「海岸通」が流れた。
http://www.youtube.com/watch?v=x06MhTf4g_s
イルカバージョンで、
あいつはそんな男だ、、、