2000年の2月8日、
関西空港の近くで、
一隻の船が転覆した。
その船長が、私の学生時代からの、
親友だった。
本来、二人で船員学校に行くつもりだったが、
私は、事情があり、
土壇場で行けなくなった。
私の分まで頑張ってくれと、
見送った。彼は晴れて船乗りに、
私は、流れ、流れて夜の世界に、
中学時代は、学校は違ったが、
お互い剣道に精進し、
高校で出会ったからは、
サァーフィンで、切磋琢磨した。
大人になっても休みを合わし、
色んな海に出掛けて行った。
中でも、印象に残るのは、
突風が吹き荒れる。
冬の日本海、
その時、もう一人中学からの、
悪友が居たが、その悪友も、
数年前に亡くなった。
船が転覆し、数か月後、
変わり果てた姿で、
海から上がって来た親友、
それから毎年、命日には、
彼の好きだったお酒を送り続けた。
そして、20年が経ち、
彼のご両親も、気を使うだろうと、
遠慮させて頂く事を連絡した。
あの時、事故現場に向かうと、
大阪では、珍しい吹雪に遭遇、
高速は、ほぼホワイトアウト状態、
今でも、時折思い出す。
20年過ぎたが、
悲しみは治まらない、
そして、悪友も亡くなり、
思い出がもぎ取られたような、
そんな気がする・・・
他にも多くの友人、知人、
身内を亡くしたが、
その分生きている私が頑張らねば、
その夜は、船長さんで献杯!