今回、長きに渡って記事を書いた。
バーテンダーとして、
大概の酒は見てきたつもり、
そうつもりだ、、
世の中は広い、昔、よく勉強しに行っていたBARがある。
ミナミの老バーテンダー、80歳近く、
数年前にお亡くなりになった。
ある事が解らず、質問をした。
答えは「いやいや、私もまだまだ、勉強中ですから、、」
「、、、、、」
その言葉の意味が、はっきりと解った今回の古酒達、
同じ酒でも、ラベルが違う、そうなれば、無限に広がる。
私は1〜2世代前のラベルしか知らなかった。
これは、3世代以上前だ。
実に勉強になった。
いい経験をさせて戴いた。
お父様に感謝だ。
しかし何故、あんなに気になったのか、
それはこれだ!
これは「バランタイン17年」
北新地の高級BAR、私が勉強に行った時、
マスターに水割りをお願いした。
究極に難しいもの、それは「水割り」だ。
そして、そのマスターが使ったのが、これ、
「バランタイン17年」
このボトルには、1978年とスタンプが、
その当時、「ジョニ赤」「ジョニ黒」が高級酒、
これは雲の上の存在だ。
ブレンディドウイスキーの至高の逸品、
しかし、それ以上に気になったのが、
これだ!
これはなんのハンコだろう、
調べた。いや解った。
これではっきりと読めた。
「名古屋港税関」
名古屋港税関、、、船乗り、、、
そう今回、私がムキになった理由、
それが、このお父様の職業だ、、
実は私は、船乗りになりたかった頃があった。
高校生、一番仲の良かった無二の親友、
一緒に海員学校へ行くはずだった。
色々あり、私は行けず、
あいつは船乗りに、、、
2000年、2月、嵐の中の関空沖、
船が転覆、、、、
あいつは死んだ、、、
この方のお父様も船乗り、
天国でお会いしたのかも、
あいつが言ったのかも、
僕の友人に酒に詳しい男がいますと、
話したのかも、船乗り同士、
あいつも酒が大好きだった。
毎晩、毎晩、二人でよく飲んだ。
そして、パソコンを通じ、
私という媒体を使い、
娘様に説明してくれと、
「わしの酒はこんなに凄いのだ。大事に扱ってくれ」
と、言う事では無いだろうか、
しかし、私も勉強になった。
そして、名古屋港税関、
私は当時この税関職員だった方を、
間接的にではあるが、知っている。
ご連絡をしょうと思ったが、
止めた、、、
今となっては、それは、それでいいじゃないかと、
そう思ったからだ。
数十年前、この方のお父様とその方は、
多分、すれ違っている。
遠い過去に、そして今、私と娘様が、
パソコンの中だが、こうして出会っている。
これだけ、デジタルにアナログを感じた事は、
今まで一度も無い、パソコンも、
ブログも実にいいものだ。
ありがとう!
そして、海辺の暮らし様、ありがとうございました。
お母様にも、よろしくお伝え下さい、
どうか、お父様の魂と思い、その古酒達をお守り下さい、
改めてお願いします。
ありがとうございました。
そして、亡くなった無二の親友、青春を一緒に過ごした日々を、
10年が過ぎ、今年2月の命日に合わせ、
私の思いを綴った記事があります。
「海岸通」全6話
少しでも多くの方に。
一読して戴ければ、幸いです。あいの為にも、、、
http://d.hatena.ne.jp/BARin/20110204/1296801049
バーテンダー 坂本雅央