黄昏ウイスキー  TWILIGHT WHISKY

大阪は京セラドーム前の小さな本格的BAR「BARin」の日記 

2月8日

あいつが死んだ。関空沖の悲劇から、もう何年だ。
この日が近づくと、ネガティブになる。
毎年なのだが、車を走らせ、
この海に来る。




あの日、大阪は珍しく大吹雪、
よく辿り着けたものだ。


あいつの船は、この海で、どてっ腹を向けて、揺れていた。
中にいる事を願い、時間だけが過ぎた。
悲しい思い出だ。


あいつと良く飲んだ酒がある。
日本酒「剣菱
私が日本酒を飲まない理由がそこにある。
思い出すからだ。


失礼な話だが、墓に行った事が無い、
墓の下で眠っているなど、
想像もしたく無いからだ。


あいつは海に居る。
だから、海が見える家を買った。
約束があった。
年を取っても、波乗りをしょうと、
守っている。


いつか、自分の船を持とうと、
守っている。
ギターも続けている。
バイクの大型免許も果たした。
何もかも、守っている。
私は守っている。


そして今でも待っている。
人は笑うだろうが、
あいつが海から帰って来るのを・・・



友よ、飲んでくれ!