桜、一気に咲いて、一気に散る・・・
あれは、もう40年程前になる。
遠い親戚が奈良は吉野の山に居た。
夏休みになると、いつも泊り掛けで遊びに行った。
多分、親戚を良い事に、
貧乏家族が、あつかましくも夏の避暑地に利用していたのだと、
今になったらそう思う、
叔母さんがいた。
この叔母さんが辛うじて、血の繋がりがある。
良い人だった。
何も文句も言わず、いつも懸命に働いていた。
凄い元気な人だった。
何よりも、笑顔しか思い出せない、
微笑が絶えなかった。
叔母さんが大変そうに思ったのは、
その家に爺様が居たのだが、
この爺様が凄い人で、
山岳信仰「大峰山」に携わる。
厳格な方だった。
確か山伏だったと思うが、
食事の時も、爺様だけが別の
食卓、そこに座れるのは、
客人の私の父だけ、
そして他の客人とその家の男子、
一段下がり、その家の女性の方の食卓になる。
「大峰山」は「女人禁制」の山なのだ。
現在でもそうで「女人結界門」と言うものがある。
確か風呂の順番も決まっていた。
私は男なので、客人でも早く、
この爺様の孫に当たる少し歳の離れた長男さんと、
同じ時に入れる。
しかし、五右衛門風呂だった・・・
そんな吉野に、確か私が10歳に満たない頃、
おとん(父)と二人で行く事になるのだが、
家の車をおとんは色々と乗り換えたが、
この時は、ライトバン、
後ろが荷台になっていた。
小さなトラックだ。
それがあったから、
こういう話になったのだと思うのだが、
ある日おとんと二人、吉野に行く事になるのだが、
吉野の山の上にある叔母さんの家を目指し、
オンボロトラックは走る・・・・
つづく・・・
「大峰山」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E5%B3%B0%E5%B1%B1