黄昏ウイスキー 

大阪は京セラドーム前の小さなジガーBAR「BARin」の日記 

桜にまつわるお話を・・・  2

毎年のように吉野の山に泊まっていた。
遠い親戚が、吉野の山の上、
確か神社の前だったのだが、
あれは「吉水神社」だったと思っていたが、
「子守り」さんと呼んでいたような記憶がある。
「子守り」さんと呼ばれるのは、
調べると「吉野水分神社」(よしのみくまりじんじゃ)のようだ。
昔の事で、記憶があいまいなのだが、
近くに名鐘「吉野三郎」があった事は覚えている。



行くのはいつも夏休みだったので、
吉野に桜のイメージが私には無い、
そしてクワガタを捕まえに、


あれは何年生だったか、
まだ、私はかなり幼かった。
そんな時、おとんと小さなトラックに乗り、
いざ、吉野へ、
そして、到着、いつもは泊まるのだが、
その日は違った。


私はあまり覚えていないのだが、
おとんがどこかに行き、私は、
待たされていた。
夕刻、おとんが帰ってきた。


車の後ろに何本もの木が乗っていた。
ん?何だ??
おとんがお礼を言った。
そのまま大阪に戻るようだ。


が、ここから悪夢は始まった。
どうも帰る前に村役場に行き、
木を持ち出す許可を貰わないと、
いけない様なのだが、


山道を黙々と車を走らせるおとん、
かなり走った。
すると何度も、
おとんが「チェッ!」
「あかん、おかしい・・・」


終いには、「キツネに騙されている」

と、言い出した。


それはそうだ。
さっきから、何度も何度も同じ所に出ている。


言いたくは無いし、思いたくも無いが、


迷っている・・・完全に道に迷っている・・・・



山の中、真っ暗になった。
ヘッドライトしか明かりが無い、
幼い私は恐くなって来た。
グルグル回るおとん、
草で道が見えない、それは覚えている。


何時間走っただろう、
すると何の拍子か、ぼんやりと灯りが見えた。
村役場だった。


役人の人が苗木を調べていた。
それからは記憶が無い、
疲れたのか、寝たのだろう、
そして月日は流れた。


私の通った中学校はここ、


大阪市立大正中央中学校


卒業生に


市口政光(東京五輪 レスリング金メダリスト)
具志堅幸司ロサンゼルス五輪 体操金メダリスト)
中田ボタン(漫才師)
萬田久子(女優)
森岡栄治メキシコシティ五輪 銅メダリスト)
柳本晶一(全日本女子バレーボール監督)


この中学に通った方は、体育館の辺りに、
見事な桜が数本あったのを、
覚えている人も多いだろう、
あの日、おとんと二人、道に迷い苦労して、運んで来たのは、
その桜だ。おとんが学校に寄付したのだ。
確か私が大人になる頃には、
凄い大木になっていたのだが、


先日見に行くと、枯れた大きな桜の木らしきものが、
淋しく佇んでいた。
写真に撮る気も起こらなかった・・・・
数本桜はあったが、小さかったので、
あれはあの時、運んで来た桜では無いだろう、



あの満開だった数本の桜を、
私達親子が運んで来たとは、
誰も知らないだろう、


そしてあの桜達は私の曖昧な記憶同様、


夢幻なのか・・・・