兎に角焦った。急ぎの用事で、
大阪は、住之江区方面に行ったのだが、
意外とあっさりと終わり、昼時だったので、
お弁当を買って、競艇場の前にある。
住之江公園に行った。中には野球場や、
テニスコート、プール、
大きな池に、ドッグランもある。
なので、その辺を散策、
小さな畑があり、トマトや、キュウリや、
トウモロコシや、ナスが植えられ、
結構、実っている。
キュウリがかなり大きい、
池には蓮の花が咲き始めていた。
ほんとに、都会の大自然である。
こういう景色を見ていると、
日頃、ウイスキーがどうのこうのと、
目くじら立てて話し、疲れるのが、
仕事と言えども、馬鹿馬鹿しくなる。
ウイスキー等、ある程度の知識の、
蓄積は出来ても、極める事など、
不可能である。最前線では、大学を出て、
大学院で専門の教育を受け、博士号を取得している。
科学者でさえ、日夜、試行錯誤の連続、
研究、研究に明け暮れている。
樽熟成に関しても、インターネットだ。
スマホだ、EV車だと、これだけ科学が、
発達しても、未だに殆ど解明出来ていない、
シェリー樽だから、シエリーの香りがすると、
簡単に言うが、ではそれを化学式で表すなら、
シェリー由来の甘さがすると言うなら、
それを、化学式で表すなら、
と、いうような事で、あやふや話なら、
お化けが出たに、等しいと言う事である。
そういう、あやふやな話に、
ムキになる事も無い、分析だと言っても、
分析機で調べた訳でも無く、
結果、適当な話である。
それよりも、大事な事は、造り手は、造り手、
売り手は、売り手、飲み手は、飲み手で、
その範疇を守る事だと思う、
それは、人の営みの社会でも同じだが、
このネットの存在で、
一般人が専門的知識を身に付け、
線引きがおかしくなっている。
私は、一本のウイスキー、
一杯のウイスキーで、生計を立て、
店の家賃、住宅ローン、月9万9千円の健康保険、
食事代、孫達のおもちゃ代やお小遣い、
勿論、仕入れの費用も、全て捻出している。
当たり前の話で、誰も恵んではくれない、
と、言う立場になれば、言うまでも無く、
一杯のウイスキーの重みが変わり、
適当な事、マイナスになる事、
ましてや、サントリーさんが、
どうのこうの等、論外な話である。
そういう、相手の立場が理解出来ない人が急増し、
故に、人間関係で悩む人で、
世の中溢れかえっている。
人には、それぞれの立場があり、
置かれた環境がある。
自分の事ばかり、言わず、考えず、
相手の立場を理解する事が、思いやり、
一杯のウイスキーも立場が変われば、
見方や捉え方が、180度変わる。
私は、売り手として、売り物として、
ウイスキーを捉え、考えているので、
飲み手の方と意見が違う事もあるだろう、
と、ウイスキーは、万人が愛する趣味では無い、
一部の人達の、限られた趣味で、
小さな世界である事も、忘れてはいけない、
元来、人には、人の垣根がある。
ネットで知った、ネットで調べたからと、
言って、容易に垣根を越えて入ってはいけない、
それが国ならば、勿論、戦争と言う事になる。
そう正に、戦争状態、私の知らない事や、
知らないウイスキー、知らないBARを必死で探し、
対抗心ムキ出しの人が、増え出したのも、
このネットの普及に伴っている。
そんな事は、パソコンがあれば、
スマホがあれば、誰でも簡単に出来る事、
難しいのは、コツコツと一杯づつ、
お酒を売り、何十年と生計を立て、継続する事では?
BARは何をする所なのか?等と、考えていたら、
試合中に自ら、リングを降りた事を思い出した。
もう、若い人達の時代だと、本場スコットランドで、
ウイスキー修行に励む若者もいる。
そろそろ、私のような古い知識の人間が、
出る幕でも無いと思うと、妙に孤独を感じ、
ふと、見ると一羽の鳥が佇んでいた。
孤高のハンターと呼ばれる。
アオサギだが、実に美しい、立ち姿である。
この鳥、私の店の近くの川にも、
居るのだが、実は、フェニックスの由来、
ベヌウとされ、古代ヨーロッパでは、
神のように崇拝されていた事から、
見ると、縁起の良い鳥とされている。
孤独であろうと、アオサギのように、
美しい立ち姿で居たいものだ。
今夜は、何か良い事あるだろうか・・・