黄昏ウイスキー  TWILIGHT WHISKY

大阪は京セラドーム前の小さな本格的BAR「BARin」の日記 

酒通信 ボウモア病 3

サントリーさんになって、

ボウモアが、どうのこうのと、

言う話を書いて来たが、

これを、個人のブログ等で、

 

発信されるのは、個人の自由で、問題が無い、

ネットは、あくまでバーチャルで、

結局は、匿名発信であるが、

店は、リアルの現実社会である。

 

その線引きを、しっかり持たなければ、

現実社会では問題が発生するだろう、

バーチャルは逃げ込む場所でもあるが、

現実は、理不尽で、戦いの連続である。

 

そして、このボウモア論が、

多発したのは、2000年ごろ、

人気漫画「美味しんぼ 70巻」が、発売された後、

これも、バーチャルとリアルの線引きが、

 

おかしくなっている。漫画に描かれた事が、

全て本当なら、宇宙戦艦ヤマトは宇宙を飛び、

ブラックジャックと言う名医が存在し、

人が死ぬ事がなくなるだろう、

 

漫画は、あくまで漫画であり、

サントリーさんが、どうのこうのと言う以前から、

既にボウモアは、多々、変貌している。

トロピカルフルーツ、ケミカルマンゴー、

 

そして、パフィーム(安っぽい化粧品の香り)時代、

60年代、70年代、80年代、90年代と、

変わり続ける。それは今では常識的見解で、

それは、ボウモアだけに限った事では無い、

 

当たり前だが、化学も技術も、

どんどん新しい物になっているのだから、

麦の品種だけでも、1990年代に、

主流だった。ゴールデン・プロミスから、

 

トライアンフ、カマーグ、チャリオット、

オプティックと変わり続け、

1990年代のゴールデン・プロミスの、

使用率は、激減し、全体の僅か2%、

 

が、これも、2013年の資料なので、

又、変わっているかも知れない、

蒸留所の設備も、新しい物に取り換えられて、

職人さん達も、引退し、新しい方に変わっている。

 

全く同じ人が、全く同じ設備で、全く同じ物を、

造り続けているのでは無い、

故に、サントリーさんがどうのこうのと言えば、

昔は、ウイスキーに詳しいと思われただろうが、

 

今では、ウイスキーが全く解っていない事を、

さらけ出してしまう結果となる。

シングルモルトは変化し続ける。

これは、既に当たり前の話で、

 

アランやキルホーマン等も、

出始めた頃は、荒々しく野性的だったが、

今はどうだろう、どちらも大人しく、

バランスも優れている。

 

ましてや、30数年前の出来事を、

いつまでも話しても、その間にも変化している。

正に浦島太郎状態になっている。

私は、若い人達を育てようと努力している。

 

今ある情報を整理し、精査し、

正確な物を伝えようと、

なのに、店で、ボウモアサントリーがと、

言われれば、聞いた人は、又、他でも言うだろう、

 

もしも、他のBARにサントリー好き、

ボウモア好きの方が居たら、

気分を害されるだろう、人と人の繋がり、

人間関係で考えれば、簡単な話なのだが、

 

それが、解らなくなって来ているのが、

ネット依存と言う病気だろう、

では、サントリーさんが入って、

味わいが変わったのは、どの時点なのか?

2000年以降の流通の、

新白いカモメラベルだろう、

その前にもう一つ、絵柄の違う旧カモメラベルがあるが、

それは、パフィーボウモアで、

     土屋守氏 ウイスキーモルト大全より

この1995年に出版された。

土屋守氏の「ウイスキーモルト大全」には、

まだ、パフィームを思わせる言葉が無い、

この次の、2002年に出版される。

 

改訂版で、石鹸や化粧品と言う言葉が、

出て来るようになるが、パフィームと言う言葉はまだ無い、

今では、石鹸のような香りは、

ソーピーと呼ばれている。

 

その前の、シルクプリントラベルは、

完全なるパフィームフローラルなのだが、

私も、シルクプリントのボウモアから、

飲んでいるが、何度も言うが、

 

必ず、美味しい物だと思って飲んでいたので、

パフィームの印象が無いのだが、

この旧ボトルの、カモメ新ラベルだが、

確かに、モリソンボウモアとなっているが、

 

2000年以降の流通なので、

サントリーさんは、既に介入済みとなる。

多分、2002年、若しくは2003年頃に、

購入した物だと思うが、このボトルの事を、

 

有名なウイスキーブロガーの方も、

書かれているが、その方は、

ボウモアパフィームが抜けだしたのは、

1989年、サントリーさんが介入してからで、

 

そのボトルの構成は、2001年頃の流通の物だと、

するならば、1987年、1988年、

1989年では無いかと、

まあ、同じ年代で同じロットの、

 

同じボトルでは無いと思うが、

このボトルに関しての、私の見解は、

1989年~1991年辺りの、

新しい樽で、フレッシュな感じがあるのだが、

 

その奥に、かなり古びた熟成感が混在している。

これは、言葉は悪いが、

何かを隠そうとしているような、

印象を受けるのだが、逆にボトルとしては、

 

かなり面白いものだと言えるだろう、

そして、新しい樽が増え出し、

2000年代も、変化して行く、

あしたのジョー」の主人公、矢吹ジョーが、

 

更生して行くような感じがあった。

記憶が曖昧だが、安定感が出だしたのは、

2010年~2012年頃だったと思う、

しかし、個性が無く飲みやすくなれば、

 

やはり、愛好家や、マニアの方は不満だろうが、

例えばオーディオマニアの方に、

アンプの事を尋ねたら、

真空管のアンプだと言うだろう、

 

パソコンオタクの方に、

パソコンを何を買えば良いのかと、

尋ねたら、自分で組み立てるべきだと、

言うだろう、それと同じだと思う、

 

が、ウイスキーを飲むのも又、

マニア、愛好家の方だけでは無い、

現行のボウモアに関しては、

散々酷い事を書かれている方も多い、

 

サントリーさんが入って、どうのこうのと、

書かれている方も、未だに良く目にするが、

サントリーさんが入って、

パフィームが無くなったので、

 

美味しくなくなったと言われれば、

それは仕方ない話で、間違いでは、

無いだろう、パフィーム好きの方も、

居られるのだから、

 

しかし、もう何度も言っているが、

ウイスキーは嗜好品であり、

結局は、自分の好みの問題であり、

美味い、不味いは、その人の物差しである。

 

では、何故売れているのか?

それは、故松下幸之助氏の言葉に、

こういう名言がある。

「世間は正しい」

 

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