黄昏ウイスキー  TWILIGHT WHISKY

大阪は京セラドーム前の小さな本格的BAR「BARin」の日記 

酒通信 ボウモア病 2

ボウモアサントリーさんになって・・・

と、言う事を書いたが、

ボウモアを売っている人間の立場を、

少しでも理解出来れば、

 

店の中では、そういう発言にはならないだろう、

しかし、それは古い見解である事は、

既に、多くの方が理解している。

サントリーさんの資金の投入がなければ、

 

ボウモアは、どうなっていただろうか、

初めての資金投入、株式の取得が行われたのが、

1989年、日本はバブルで、

歌え、踊れの大騒ぎだったが、

 

一方、スコットランドでは、

ウイスキー業界は、瀕死の状態、

ウイスキーが売れない、暗黒の時代、

多くの蒸留所が、停止、休止、閉鎖と、

 

追い込まれていた。ボウモアも、

経営の悪化で、オーナーが、次々変わり、

蒸留も、ままならない状態、

樽も新しい物を買えず、

 

使い回しと、あるが、この80年代後半から、

樽の、再々利用は、

始まっているので、

この点は不確かではある。

 

当たり前の話だが、順風満帆で、

飛ぶように売れるウイスキーを、

造っている蒸留所が、まず株を売る事は無い、

その資金の投入で、老朽化の設備を取り換え、

 

新しく樽も購入し、経営を立て直した。

故に、サントリーさんがと言うより、

設備を整えた事で、味わいが変わったと、

言う方が、正しいだろう、

 

何も、サントリーの社員さんが、

ボトルの一本、一本に味の素を入れたのでは無い、

では、逆に質問するが、

どのボウモアと、どのボウモアが、

 

どの時点で、どういう風に変わったのか?

はっきり説明してくれれば、納得するが、

明確に、何年の何月頃と言う話は、

聞いた事が無いのだが、

 

私達と、愛好家の違い、

プロと、アマチュアの違いは、

定期購入、定期的に入れ替わる。

勿論、売れて無くなるから、

 

又、新しい物を、仕入れる。

愛好家の方は、買われた一本を、

何年か掛けて飲まれる。

数が多くなれは、より期間は、長くなるだろう、

 

故に、味わいの変化には鈍感になる。

私らは、新しく入れば、少しづつ、

飲んでいるので、10年、20年の単位で、

ある程度、変化を理解している。

 

ウイスキーの世界は、一本飲んで、

どうのこうのと言うような、

簡単な世界では無い、同じ物と10年、20年と、

付き合っても、解らない事だらけ、

 

だから、面白いのである。

話を戻すが、ボウモアサントリーさんになって、

と、言う方に、どこの時点で、

そうなったのか、明確にボトルで教えて貰いたい、

 

と、なると曖昧で、

ぼやけたような話になる。

1994年、サントリーさんがボウモアを、

買収し、サントリーボウモアとなった。

 

この年で、計算すると、12年物だと、2006年頃になるが、

この辺りに、行き違い、勘違いがあるのでは、

1989年が最初の介入なので、

変化が始まるのは、2001年頃からとなるのだが、

 

ここで、2点、大事な事がある。

まずは、この頃、今ほど情報が無く、

飲み始めた頃で、全ては美味しいものだと言う、

先入観の元で、飲んでいた。

 

私も、少し解り始めたのは、

2000年の中頃辺りである。

まず、80年代からボウモアを飲んでいたと、

言う人が居るだろうか、

 

やはり、90年後半から、2000年前半だろう、

丁度、この辺りで、当時の人気漫画「美味しんぼ」の、

70巻で、企業名こそ出してはいないが、

日本の悪魔ような企業が、

 

伝統あり、由緒のあるボウモアの蒸留所を、

金で叩いて、買収したと言う話があった。

その直後から、ボウモアサントリーさんになって、

と、言う方が、爆発的に急増した。

 

これが2点目「ボウモア病」と言うより、

美味しんぼ 70巻病」と言うべきかも、

しかし、実際はボウモアは、

経営不振で、次々オーナーが変わり、瀕死の状態、

 

資金投入がなければ、どうなっていたか、

設備を変えて、味わいが変わるのは、

シングルモルトの世界では、現在は常識の範疇、

エドラダワーが象徴的だが、

 

いきなり、パフィームが消えた。

これも付け加えて話すが、

パフィームはネガティブでは無い、

パフィームが好きな方も居られる。

 

自分だけの物差しで、何でも測ってはいけない、

と、サントリーさんになってと言うなら、

何故、オーヘントッシャン

ラフロイグは言わないのか?

 

他の蒸留所は変わらず、

何故かボウモアだけが、変わったと、

実際、味わいは変わったのだが、

では、それ以前のボウモアが、

 

全て、素晴らしかったのかと言うと、

そうでは無く、このネットの中でも、

多くの人が書かれているが、

60年代、神秘のウイスキーだった。

 

ボウモアだが、70年代から、

80年代で、パフィーム(安っぽい化粧品の香り)が、

ドンドン強くなるとあるが、

実際は、私もその頃の物を飲んでいるが、

なんら知識も無く、当時は良く解らなかった。

これが2001年辺りに購入した。

ドラゴンデキャンター 30年、

ナイトサーフ 25年で、

 

逆算すると、71年、76年となるが、

2000年当初は、今では当たり前の言葉、

パフィームすら、知らなかった時代、

と、何度も言うが、必ず美味しい物と言う、

 

先入観、固定観念の元で飲んでいた。

当時、30年は4本、25年は2本購入しているが、

正直、あまり記憶が無いが、

やはり、1964年蒸留の、

ブラックボウモアに関しては、

強烈な記憶があるが、

味わい、香りと言うより、

経年変化である。

 

開封直後、泥水でもすすっているのかと思ったが、

2週間後、アイラとは思えぬ、華やかで、

ブランデーを超えるような香りを放ち、

味わいも、全く違う物になった。

 

夜中に誰かが、中身を入れ替えたのでは?

と、心配になる程だった。

これだけ凄まじい、経年変化は、

その後、出会った事が無い、

 

経年変化を教わったのは、

間違いなく、ブラックボウモアである。

しかし、その頃、経年変化すら、

知らなかった時代の話である・・・

         つづく・・・

 

 

ja.wikipedia.org