黄昏ウイスキー  TWILIGHT WHISKY

大阪は京セラドーム前の小さな本格的BAR「BARin」の日記 

酒通信 スコットランドだより 46 雨の中の土下座

いや、ラベルを良く見たら、

先日のベンリアック 1977

モスカテルフニッシュ、

ラベルの左上に36年となっている。

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いや、そりゃ高いわ・・・いや、安いわ・・・

いや、価値観の問題、と、私はこういう

ビンテージボトルに出会うと、いつもこう思う、

1977年は、どうだったかと、

 

年齢的には、14歳、中学2年か、

技術の先生が担任で、あの子と、あの子が居て、

クラブ活動は、剣道部で・・・等々、

貴方は、1977年に何してましたか?

 

いやいや、それは良いのだが、

操業、僅か二年で停止した。

ベンリアック蒸留所だが、

先日も書いたが、その後、隣にある。

 

ロングモーン蒸留所の、フロアーモルティング、

製麦をしていたと言うが、大麦のままでは、

糖化酵素が無いので、麦芽にするのだが、

今では、大型の機械で大量に作れるが、

 

これは、人力で、すき返しと言う、

技術も必要だが、この作業が、

かなりの重労働で、肩にコブが出来、

それが、お猿さんが乗っているようなので、

 

モンキーショルダーとも、

言われるのだが、そのロングモーン蒸留所、

ほんとに、すぐ近くのようで、

ベンリアックから歩いて行ける。

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なのだが、この蒸留所は、

見学もショップも無いようだ。

いやいや、それなら不法侵入・・・

いや、まあ、私では無いので、

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今から、100年以上前、1919年(大正8年

一人の日本人男性が、この蒸留所に現れる。

男の名は、ニッカウヰスキー、創業者竹鶴政孝

日本のウイスキーの父、その人である。

 

当時、スコットランドに渡るが、

まあ、これと言ってあてが、あるものでも無く、

大学の教授から、個人的に、

講習を受けようとするが、

 

かなりの大金を要求される。

が、色んな本と資料を見たが、

その金額は妥当な額だったようだ。

そこで、行き詰るのだが、

 

ふと、思い出す。今、自分は本場に居るのだと、

なら、直談判で、働かせてもらうおうと、

まあ、要するに現場で、講習を受けるようなもなのだが、

それを、快く引き受けてくれたのが、

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そう、このロングモーン蒸留所である。

NHKの朝ドラ「マッサン」で、

唯一、私がブーイングしたのが、

そのシーンだった。

 

降りしきる雨の中で、必死に土下座し、

懇願する。竹鶴政孝氏のモデル。

マッサンが描かれていたが、

それは、ドラマの演出で、実際は、全然違い、

 

「あの~、働きたいんですが?」

「うん、ええよ~」

こんな感じだったようだ。

いや、本や資料では、この下りが、

 

一番、感動したのだが、

いや、スコットランド人の懐の深さ、

手伝うと言う名の、完全な産業スパイなのだが、

もしかすると、甘く見られていたのかもだが、

 

東洋の島国の人間に、マネなど出来ないと、

いや、純粋に好意だったと思いたい、

これは、以前も詳しく書いたが、

竹鶴氏には奇跡的な事が、連続して起きる。

 

今で言うなら、持っている男だったのだが、

私も調べていて、そんなに続くかと、

驚いた。その一つが、竹鶴氏が、

渡英する。少し前に、イギリスで柔道の公演が、

 

行われ、神秘の柔術として、

人気が出て、俄かに日本ブームが、

巻き起こっていて、その柔道の心得のある。

竹鶴氏は、柔道に救われる事にもなる。

 

蒸留所に受け入れられたのも、

それが影響したか、どうかは解らないが、

一端があったのではと、勝手に推測する。

そう思わせるのは、竹鶴氏は、

 

工場長に、確か葉巻と、奥様に香水の、

手土産だけで働く事なる。

一週間程の手伝いだったが、

ここでの経験で、初めて資料から、

 

実戦を見る事になり、

大まかに把握できたようだ。

その後、グレーンの蒸留所に行き、

次がキャンベルタウンの今は無き、

 

ヘンゼルバーン蒸留所で、

本格的な研修に入る。

現在、スプリングバンクから、

発売されているヘーゼルバーンは、

 

あくまで、商品名であるので、

お間違いなきように、

しかし、スコットランドの人達は、

文献など読む限り、実に親切である。

 

現在、スコットランドに滞在している。

ケイスケ君からも、同じような報告を、

受けている。兎に角、皆親切で、

色々と案内してくれたり、

 

紹介してくれたりと、

何度も聞いている。お国柄なのだろうが、

まあ、大阪人も面倒見は良い方である、

日本でウイスキーに携わる、

 

人間としては、ロングモーンには、

感謝しか無いだろう、先人あっての今である。

そういう蒸留所だけに、是非見学させて頂きたい、

と、ラブコールを送ろう、

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いやいや、中に入り過ぎやろ、恐いわ・・・

100年以上前に、竹鶴氏が学んだ蒸留所と、

思うだけで、後光が差しているような気がする。

ロングモーン蒸留所でした。

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最後に、この蒸留所は修道院のあった土地に、

建てられたこともあり、

ロングモーンとは、ゲール語で、

「聖人の地」と言う名のウイスキーである。

 

※お知らせ

蔓延防止措置に伴い、

1月27日~2月20日の間、

臨時休業とさせて頂きます。

 

www.nikka.com

 

8年程前に、私が簡単にまとめた。

竹鶴政孝氏の半生です。

大した事は書いてませんが、

お時間があれはどうぞ ↓

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