いや、ラベルを良く見たら、
先日のベンリアック 1977
モスカテルフニッシュ、
ラベルの左上に36年となっている。
いや、そりゃ高いわ・・・いや、安いわ・・・
いや、価値観の問題、と、私はこういう
ビンテージボトルに出会うと、いつもこう思う、
1977年は、どうだったかと、
年齢的には、14歳、中学2年か、
技術の先生が担任で、あの子と、あの子が居て、
クラブ活動は、剣道部で・・・等々、
貴方は、1977年に何してましたか?
いやいや、それは良いのだが、
操業、僅か二年で停止した。
ベンリアック蒸留所だが、
先日も書いたが、その後、隣にある。
ロングモーン蒸留所の、フロアーモルティング、
製麦をしていたと言うが、大麦のままでは、
今では、大型の機械で大量に作れるが、
これは、人力で、すき返しと言う、
技術も必要だが、この作業が、
かなりの重労働で、肩にコブが出来、
それが、お猿さんが乗っているようなので、
モンキーショルダーとも、
言われるのだが、そのロングモーン蒸留所、
ほんとに、すぐ近くのようで、
ベンリアックから歩いて行ける。
なのだが、この蒸留所は、
見学もショップも無いようだ。
いやいや、それなら不法侵入・・・
いや、まあ、私では無いので、
今から、100年以上前、1919年(大正8年)
一人の日本人男性が、この蒸留所に現れる。
日本のウイスキーの父、その人である。
当時、スコットランドに渡るが、
まあ、これと言ってあてが、あるものでも無く、
大学の教授から、個人的に、
講習を受けようとするが、
かなりの大金を要求される。
が、色んな本と資料を見たが、
その金額は妥当な額だったようだ。
そこで、行き詰るのだが、
ふと、思い出す。今、自分は本場に居るのだと、
なら、直談判で、働かせてもらうおうと、
まあ、要するに現場で、講習を受けるようなもなのだが、
それを、快く引き受けてくれたのが、
そう、このロングモーン蒸留所である。
NHKの朝ドラ「マッサン」で、
唯一、私がブーイングしたのが、
そのシーンだった。
降りしきる雨の中で、必死に土下座し、
懇願する。竹鶴政孝氏のモデル。
マッサンが描かれていたが、
それは、ドラマの演出で、実際は、全然違い、
「あの~、働きたいんですが?」
「うん、ええよ~」
こんな感じだったようだ。
いや、本や資料では、この下りが、
一番、感動したのだが、
いや、スコットランド人の懐の深さ、
手伝うと言う名の、完全な産業スパイなのだが、
もしかすると、甘く見られていたのかもだが、
東洋の島国の人間に、マネなど出来ないと、
いや、純粋に好意だったと思いたい、
これは、以前も詳しく書いたが、
竹鶴氏には奇跡的な事が、連続して起きる。
今で言うなら、持っている男だったのだが、
私も調べていて、そんなに続くかと、
驚いた。その一つが、竹鶴氏が、
渡英する。少し前に、イギリスで柔道の公演が、
行われ、神秘の柔術として、
人気が出て、俄かに日本ブームが、
巻き起こっていて、その柔道の心得のある。
竹鶴氏は、柔道に救われる事にもなる。
蒸留所に受け入れられたのも、
それが影響したか、どうかは解らないが、
一端があったのではと、勝手に推測する。
そう思わせるのは、竹鶴氏は、
工場長に、確か葉巻と、奥様に香水の、
手土産だけで働く事なる。
一週間程の手伝いだったが、
ここでの経験で、初めて資料から、
実戦を見る事になり、
大まかに把握できたようだ。
その後、グレーンの蒸留所に行き、
次がキャンベルタウンの今は無き、
ヘンゼルバーン蒸留所で、
本格的な研修に入る。
現在、スプリングバンクから、
発売されているヘーゼルバーンは、
あくまで、商品名であるので、
お間違いなきように、
しかし、スコットランドの人達は、
文献など読む限り、実に親切である。
現在、スコットランドに滞在している。
ケイスケ君からも、同じような報告を、
受けている。兎に角、皆親切で、
色々と案内してくれたり、
紹介してくれたりと、
何度も聞いている。お国柄なのだろうが、
まあ、大阪人も面倒見は良い方である、
日本でウイスキーに携わる、
人間としては、ロングモーンには、
感謝しか無いだろう、先人あっての今である。
そういう蒸留所だけに、是非見学させて頂きたい、
と、ラブコールを送ろう、
いやいや、中に入り過ぎやろ、恐いわ・・・
100年以上前に、竹鶴氏が学んだ蒸留所と、
思うだけで、後光が差しているような気がする。
ロングモーン蒸留所でした。
最後に、この蒸留所は修道院のあった土地に、
建てられたこともあり、
ロングモーンとは、ゲール語で、
「聖人の地」と言う名のウイスキーである。
※お知らせ
蔓延防止措置に伴い、
1月27日~2月20日の間、
臨時休業とさせて頂きます。
8年程前に、私が簡単にまとめた。
竹鶴政孝氏の半生です。
大した事は書いてませんが、
お時間があれはどうぞ ↓