黄昏ウイスキー  TWILIGHT WHISKY

大阪は京セラドーム前の小さな本格的BAR「BARin」の日記 

酒通信 スコットランドだより 44 長閑な田舎町 前編

今年に入り、蒸留所巡りを再開し出した。

スコットランドは、クライゲラキ、

ホテル ハイランダーインのBARで、

働く、当店の若き常連氏、

 

ウイスキー武者修行中の、

ケイスケ君から、再び画像が届いた。

2022年、第二弾は、

長閑な田舎の風景から始まった。

f:id:BARin:20220130154830j:plain

これ、日本の田舎でも見掛ける。

バス停のようだが、

ほんとにバスが来るのか?っと、

些か心配になる。

f:id:BARin:20220130155025j:plain

一体、何処なんだと言う風景だが、

こういう所で造られるウイスキーが、

多くの人を魅了し、今や世界中を、

席巻していると思うと、愉快な話である。

f:id:BARin:20220130155539j:plain

おお!何故か、西宮恵比寿神社を思い出した。

ドアの色が、ブルイックラディに、

似ているが、やや緑が濃い、

まあ、既に名前は出ているが、

f:id:BARin:20220130161049j:plain

f:id:BARin:20220130160150j:plain

青空に溶け込んだ。ベンリアック蒸留所、

なのだが、ここは見学は出来ず、

今回は、試飲だけだったようだ。

しかし、毎回、蒸留所を紹介する度に、

 

一応、再確認の為に、蒸留所の歴史等を、

調べているが、まあ、どの蒸留所も二転三転、

順風満帆では無く、浮き沈み、

流浪のような経緯がある。

 

このベンリアックも例外では無く、

操業、僅か二年で停止、長い眠りに入る。

その後、隣にあるロングモーン蒸留所の、

フロアーモルティングのみを行うのだが、

 

ウイスキーが誕生する経緯も、

偶然と、偶然が絡み合うのだが、

ウイスキーが売れる経緯にも、

偶然が、絡んでくる。1880年代の有名な、

 

フィロセキア虫(害虫)の大量発生により、

フランスのブドウが全滅、

ワイン、ブランデーが世の中から消え、

ウイスキーが一気にスターダムに、

 

のし上がる事に、その好景気に、

パティソン言う、二人の兄弟がブレンディド会社を、

設立し、ウイスキーの大きなうねりの中に入る。

時は1887年、急速に拡大する二人の事業、

 

1896年に、新たにパティソン社を、

立ち上げ、オーバン、オルトモア、

グレンファークラスの半分を手に入れる。

しかし、パティソン社の好調は、

 

粉飾されたもので、実は、

危険な綱渡り経営だった。

1898年12月、遂に雷が落ち、

パティソン社の株式が急落、

 

その後、不正経理が発覚し、

1901年に、兄ローバートは18ケ月、

弟ウォルターは9ケ月の刑務所送りとなるのだが、

罪が軽すぎる。実はこの兄弟、大罪を犯している。

 

ウイスキーに、高級なウイスキーを、

ほんの少しだけ混ぜ、こんな名前で、

「Fine old Glenlivet」

売っていたのだ。ウイスキー業界としては、

 

いや、私らのような立場の人間から、

言わせれば、この方が、言語道断、

極悪非道である。因果関係は明確では無いが、

その時期から、原酒価格が、

 

下落し始める。これが「パティソン事件」と呼ばれる。

それから、第一次大戦禁酒法と、

ウイスキーは、長きに渡り、暗い冬の時代を、

向かえる。このパティソン事件で、

 

ウイスキー事業の連鎖倒産が始まる。

まあ、形は違うが、今なら、

リーマンショックのようなものだろう、

やっと、本題に戻れるが、その煽りを受けた。

 

蒸留所の一つが、操業間もない、ベンリアックである。

1900年の停止から、65年後の、

1965年(昭和40年)に再開、長すぎる眠りだ。

1978年に、現ペルノ・リカール社の傘下へ、

 

が、1998年フロアーモルティング停止、

2002年に、またもや蒸留を停止、

ここで現れるのが、ウイスキー業界の、

大御所、ビリーウォーカー氏の立て直しが始まる。

 

氏は、近年、グレンアラヒーを買収した事で、

話題になったが、その後、

グレンドロナック、グレングロッサ、

二つの蒸留所を手に入れ、

 

2016年にアメリカ ブラウンフォーマン社に、

買収され、傘下に入る。

のだが、これ、いつも思うのだが、

買収と言うか、売却では無いのか、

 

買収と言うから、駄目になったみたいだが、

蒸留所を立て直し、ウイスキーの質を、

向上させ、高値で大手企業に売却、

それを、元手に新しいく蒸留所を、又手に入れる。

 

言葉は悪いが、土地ころがしならぬ、

蒸留所転がし、いや、立て直し業に、

私は思えて仕方ないし、実際そういう、

感じだと思うのだが、

 

こういう事を踏まえた上で、

では、中に入って見るが、

先にも述べたが、見学は無しの、

試飲のみである。

f:id:BARin:20220130175240j:plain

グレンリベット蒸留所を見た後なので、

う~ん、なんか酒屋さんのような・・・

いやいや、失礼な事を、すいません、

今日はここまで、続きは明日です。

f:id:BARin:20220130175522j:plain

           つづく・・・

※お知らせ

蔓延防止措置に伴い、

1月27日~2月20日の間、

臨時休業とさせて頂きます。