「戦争に負けたから、
堕ちるのではないのだ。
人間だから堕ちるのであり、
生きているから堕ちるだけだ
堕ちきる道を堕ちきることによって、
自分自身を発見し、
救わなければならない」
今に置き換えれば、
コロナだから堕ちるのではない、
人間だから・・・
人間だからもがき苦しむ、
私の父が、若い頃に、
この「堕落論」が出版され、
かなり父は、読み込んだはずで、
振り返れば、この本に書かれている事を、
良く話していた。
私も若い頃から何度も読んでいるが、
最近になって、堕ちるは削ぎ落すでは無いかと、
自信を持つのは良いのだが、
過剰になってはいけない、
自分はまだまだであると、
自信を削ぎ、洗練し無からの転生、
底辺の美学のような、
そして、這い上がる勇気、
私も影響を受けたのか、
少々、自虐的な人生を歩み、
同じような、種田山頭火や、
一休禅師に憧れた。
まあ、一休さんの場合、
詭弁的なところもあるが、
と、やはり葛飾北斎だろう、
亡くなる数年前の８５歳で、
まだ、自分はまともに猫一匹描けないと、
泪したと言う、この向上心、
これこそが、這い上がる源なのだろう、
バーテンダーも同じで、
これで完成したと思えば、努力をしなくなる。
自分のカクテルはまだまだだと、
思い続けないと、
このコロナの中でも、
やり方は、多々あるだろうが、
自分のスタイルを変えてまでは、
する事では無いと私は思う、
ただ、コロナなだけで、
桜は咲き、そして散り、
夜空を見上げれば、綺麗な月が出ている。
何も変わらない、
夜中になれば、下町のいつもの場所で、
孤高のハンター、アオサギ君は、
静かに、獲物を狙っている。
何も変わっていない、
雨が降れば、
いつかは止み、
そして、綺麗な虹も掛かる。
何も変わっていないのだ・・・
今、改めて自分自身を見つめなおし、
勇気を持って、
後は這い上がるしかない、
と、思う今日この頃である。
