いや、もっと早く差し上げるべきだ。
大正15年生まれ、94歳、
国内最高齢バーテーンダー、
井山計一氏が、現代の名工に選ばれた。
数年前、氏のドキュメンタリー映画を、
「YUKIGUNI」を観に行き、
考えさせられる所が多く、
やはり、温故知新、先人には先人の、
我々には、我々の苦労があるが、
その本質は同じだと感じた。
しかし、先人を敬う心が無ければ、
何事に置いても、成長は無いだろう、
その事を、この下町でも、
提唱してきたが、
あまり状況は変わらない、
しかも、この町では、
こういう現代の名工に、
選ばれるバーテンダーが居ることさえ、
殆どの方が、知らないだろう、
未だに、酒を売る店の人は、
未だに、飲み屋の兄ちゃんである。
散々努力をして来たが、
やはり、結果が出ていない以上、
努力が足りなかったのだと、
こういう大先輩の、
バーテンダーの方々に、
申し訳ない気持ちが、
募る一方である・・・
94歳、私の父が生きていたら、
同じ歳ぐらいだった・・・
そう考えると、大変な時代を、
生きて来られたのだと、
私の父と照らし合わせれば、
解るのだが、一度、お会いして、
是非、話してみたい、
良くバーテンダーは職業では無く、
生き方であると言われるが、
それは、氏の映画を観た時に、
恐ろしいぐらい痛感した。
正に、それは生き方であった。
氏は長年、年中無休を掲げられていた。
私も、ほぼ休まないが、
氏の影響が大きいだろう、
まあ、仕事にやりがいがあり、
喜びがあり、
第一に好きな事をしているのに、
休む理由が見当たらない、
まあ、儲からなくとも、
怒鳴られず、絡まれず、
長閑な夜が過ごせたら、
それだけで、私には良い日である。
無理せず、まだまだ頑張って下さい!
ですけど・・・」
井山計一