移転から約一年、
遂に、コックピットが、
完成した。
現時点では最高峰の出来、
コックピットとは、
カウンター内の事なのだが、
私はコックピットと呼んでいる。
松本零士氏の、
戦場漫画シリーズは、
何度、読み、観た事か、
特に「ザ・コックピット」
「鉄の竜騎兵」は、
坂口安吾氏の言う、
「走り続けバッタリ倒れて、
それが、ようやく終わりである」
この言葉を漫画化したような、
作品である。
と、言うのは、良いのだが、
まあ、そのうち、私も、
バッタリ倒れて終わりが来る。
それまでは走り続けないと、
の、為にはコックピットを、
より効率よく、且つ、疲れないように、
と、試行錯誤の繰り返し、
昨今の体力の低下、
視力の低下、
物忘れ・・・
まあ、書き出したらキリが無い、
それをカバーする事と何より、
この狭い空間に体が馴染む事、
これに一年近く掛かった。
完全な見切り発車で始め、
あれこれとカクテル、
ウイスキーを頼んでくれた方々に、
心から感謝と共に、十分なサービスを、
提供出来なかった事を、
お詫びいたします。
しかし、我ながら、
かなり洗練されている。
途轍も無い忙しさにならない限り、
そう、追われる事も、
無いだろう、
いや、無いだろうか・・・
まあ、確かにジェット旅客機の、
コックピットも大変で、
多くの命を預かっているが、
BARのコックピットも、
常に臨機応変の対応、
瞬時の判断が必要である。
ましてや自動操縦は無い、と、
アルコールでも、人は死ぬのだ。
それを忘れてはいけないと、
お酒は自分に合った、
酒量が大原則、
それは、人それぞれに違う、
その見極めが出来るのが、
大人で、絶対に強要する物では無い、
そんな事をするから、悲惨な事故は、
後を絶たない、
ウイスキー、カクテルを紹介する。
確かにそれもバーテンダーの、
仕事だろうが、
飲み方を覚えて頂く事が、
肝要では無いだろうか、
それには余裕が必要、
余裕を作るには、
コックピットの機能性を、
高めて行く、
簡単な話なのだが、
やはり、キャリアと言う、
時間が必要である。
何事も積み重ね、
ローマは一日では、
で、ある。
しかし、一つ大変な問題がある。
毎晩、毎晩、毎晩、
停泊中、
忙しくない・・・