黄昏ウイスキー  TWILIGHT WHISKY

大阪は京セラドーム前の小さな本格的BAR「BARin」の日記 

一番思い出の海・・・3

立ちはだかる大波、

冬の日本海の、

恐ろしさを目の当りにした。

しかも、まだキャリアも無い、

 

 

経験値が低すぎる私達、

が、無情にも大きすぎる波、

良く解らず、取り敢えず、

真っ向から挑む、

 

 

ドルフィンスルーと言って、

波の下を潜り、

波の向こう側に出るのだが、

凄い勢いで弾かれる。

 

 

しかも、あまりの水温の低さに、

体が思うように動かない、

当時のウェットスーツ等、

今の物に比べたら、

 

 

性能の低さは、

歴然、肩が回らない、

押し戻され、波に巻かれる。

溺れる。ん?が、気付いたのは、

 

 

太平洋側と、日本海側では、

波の力に違いあり、

巻かれても、左程、

苦しくないのだが、

 

 

アウト、沖に出れない、

ドンドン体が冷えて来る。

必死で、がむしゃらだった。

と、何かの拍子に、アウトに出た。

 

 

出ると左前方に、彼が波待ちの体制で、

ボードに座っている。

と、確認出来た瞬間だった。

そこは、神の領域だった。

 

 

強烈な、オフショアー

陸からの風で、波のトップが、

吹き飛ばされ、シァワー状になり、

それが、陽の光に照らされ、

 

 

小さな無数の虹が、

あちこちに、

な、何だこれは、見た事も無い、

摩訶不思議な光景だった。

 

 

すると、彼が手を伸ばして、

何かしている。

近づくと、何か叫んだ。

良く聞こえなかったが、

 

 

口元が、レインボーと、

言ったような、

ん?レインボー確かに、

虹だらけなのだが、

 

 

手を伸ばしている。

しきりに・・・

あ、まさかキャッチ・ザ・レインボー、

気付いたら、面白くて、

 

 

吹き出してしまった。

それは、彼のレコードで良く聞いた。

レインボーの代表曲、虹をつかもう 

Catch the Rainbow ↓

 

Catch the Rainbow

Catch the Rainbow

 

その時に、一緒に行った。

高校時代からの親友を、

2000年に海難事故で亡くし、

今回、中学時代からの悪友を亡くし、

 

 

あの時の海を、波を、虹を見た

三人が、私だけになり、

思い出が、傷跡のようになり、

残ってしまった。

 

 

まさか、この言葉を、

使うとは思わなかったが、

友よ、お前もか、

安らかに、眠れ・・・


Rainbow - Catch The Rainbow (1975)